告白
一晩中泣いた。
泣いては目を冷やした。
元々そんなに仲良かったわけじゃない。
崩れるような関係もない。
それはそれで悲しかった。
やっぱり、なんであの子は…
って思ってしまうのは
今日だけにしよう。
気持ちはどうしようもないし。
次の日、馬村くんから、
「よお。」と声をかけてきた。
ウソ!
初めてだ。
嬉しい。ふられたのに。
ちゃんと馬村くんの視界に
自分が写った。
もうそれだけでいいや。
うん。
それなのにイモ女は、
私と馬村くんが
うまくいったのかと
勘違いしたらしい。
いい気なもんよね。
自分は先生と
ちょっといい雰囲気だからって。
フラれたと報告すると、
イモ女は自分のことのように
落ち込んでいた。
ザマーミロ。
なんでこう、
人の気持ちって
うまく噛み合わないんだろう。
でも私はもうこの子を
苦しめないで済むかもしれない、
と思うと、ちょっと
ホッとしていた。
恋と友情の板挟みなんて、
このイモ女の出来の悪い頭では
処理しきれないだろうしね。
『失敗しても
死ぬわけじゃないし。』
土牛先輩の言葉を
ふと思い出した。
「ホントね。」
むしろ得たもののほうが
大きかったかもしれない。
変にスッキリしているのは
誰のおかげだろうか。
ゆゆかがそれに気づくのは
もう少し後の話。