I’m Yours
ジェイソン·ムラーズの
「I’m Yours」を聴きながら
学校に行く。
「まーむら!」
後ろから猿丸に小突かれ、
オレは電柱に激突した。
痛ぇ。。。
夢じゃない。
猿丸が後ろで焦っていたが、
もう何も聴こえない。
見えない。
もう気持ちにブレーキ
かけなくてもいいんだ。
躊躇うこともない。
誰に遠慮することもない。
自分の全部をかけて
アイツを大事にできるんだ。
そう思ったら
嬉しさが今頃込み上げてきた。
学校に着くと
アイツが真っ赤な顔をする。
やっぱり夢じゃない…
オレはアイツの彼氏で
アイツはオレの彼女?
そう思ったら自分の顔が
みるみる赤くなるのがわかった。
ヤベエ、嬉しさが止まらねぇ。
一日中、そのことで頭がいっぱいで
授業どころじゃなかった。
一緒に帰るためにアイツを待つ。
今までと同じことをしてるのに、
なぜかお互いぎこちない。
アッサリあいつが
帰ろうとする。
え?それだけ?
「オマエはもうちょっと
居たいとか思わねーのかよ。」
オレはずっとそう思ってた。
少しでも一緒に居られるようにって。
「馬村そんなキャラだっけ?」
とアイツにびっくりされる。
自分もビックリしてるっつーの。
オレに言わすなよ。
オマエもちょっとくらい思えよ。
ホントに付き合うって
言ったっけ?って
不安になるだろーが。
いや、いいんだけど。
まだ、やっとオレに
気持ち向けようって
思ったばかりなんだよな。
今はそれだけでいいわ。
ここまで来たら
いくらでも待つし。
だってとっくに
オレはオマエのものだから。
最初からオレに
主導権なんてないんだ。
舵のない船に
乗ってるみたいなもんだ。
今たまたまいい流れに
乗っただけだ。
オールくらいは
欲しいとこだけどな。