もしも亀吉が猿丸の告白にOKしたら
俺は調子に乗って
そのままキスをしようと
亀吉に顔を近づけたとこで、
「小鉄!帰ってるの?」
と母ちゃんの声が聞こえ、
玄関のドアが勢いよく開いて、
「ぐわ!」
俺の体は吹っ飛ばされた。
「アラ、そこにいたの?
あ、亀ちゃん。こんにちは。
またマンガ借りにきたの?
全部持ってってもいいのよー。
本当にこの子はゲームと
マンガばっかりでねー。
ゆっくりしてってね。
小鉄!ちょっとお使い行ってよ。」
母ちゃんは空気も読まずに
好き放題言っている。
「痛ってぇ!
そこにいたのじゃねえよ!
ごめんくらい言えねえのかよ!」
俺は母ちゃんのゲンコツを
さらにくらったあと、
結局買い物メモとお金を渡された。
「じゃあ、お使いデートと行きますか。」
亀吉にそう言われて、
「え、デート?///」
俺は聞き返していた。
スーパーに行くのがデート?
「付き合って二人で行くなら
どこでもデートになるんじゃない?」
「そっか。」
憂鬱な母ちゃんのお使いも、
亀吉とデートと思えば
楽しく思えてくるって
俺って単純?
「猿丸のそういう単純なとこ、
私好きだよ。」
亀吉に言われて
俺は顔がポォォォと赤くなった。
彼氏彼女ってサイコーーーーだ!
亀吉奈々、サイコーーーーだ!
俺達は手をつないで
日本史しりとりをしながら
スーパーまで行った。
この間までの俺達とは
何かが違う。
とにかく幸せだ。
神様、ありがとうぅぅ。
作品名:もしも亀吉が猿丸の告白にOKしたら 作家名:りんりん