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靴ベラジカ
靴ベラジカ
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魔法少年とーりす☆マギカ 第八話

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「同じグリーフシードを量産してたのは、 …フェリクスだった!?」
《録画映像で確かに確認出来た。 あいつは望んでかは知らないが、生きたままグリーフシードをジェムの中から取り出す力を持ってるみてぇだ》
 電話越しでも冷静さを失っている事が垣間見えるアーサーの肉声。 トーリスは朝のときわ連絡通路を駆けながら通話を続ける。 額に冷たい汗が滲む。
 「ジェムからグリーフシードが産まれたら、普通一発で死んじゃうんだろ!? なんであいつはそんな」
 《願いの影響だろうな》
 通路出口の扉を慌てて開ける。 大きな滴が身体を不快に纏わり付いていき、汗ばむトーリスの手。
 《【こんな魔法が欲しい】って願いを対価にした契約でもなきゃ、魔法少年一人一人、そいつ特有の魔法は願いに関わる様な力を持つ。 誰かの病気を治してほしい、なら癒しの魔法、強い奴になりたい、ってなら身体を強化する魔法ってな》
 コンクリのルートを突き抜け、茶髪の少年は中学前の大通りへ走り抜けた。 見慣れた真夏の朝日が目に突き刺さる。 携帯を持たぬ拳を握り締めた。 フェリクス、なんでお前はそんな願いを。
 《ギルべぇも魔術部に向かってる! 奴に内容を聞きたきゃ急げ! 内容によっちゃあ俺達にとってもまずい事態なんでな!》

 通話は切れた。 まずい事態? 何だそれは。 最初は魔術部を敵だと思っていたのに、対話をすればするほど、連中が十字軍と対立する動機、原因が何処にあるのか解らなくなっていく。 少なくともトーリス相手には至って彼らは誠実で、質問には理解出来る返答を提示してくる。 魔術部が自分にとって敵でないなら、仲間だと思っていた魔法少年十字軍が敵だった? それとももっと複雑な何かがある? ときわ中運動部の練習試合を突っ切り、走りにくいローファーを脱ぎ捨て、白猫の様な生物を横目に、彼は驚くほどの俊足で魔術部の扉を開け飛び込んだ。 アーサー邸への直通結界へ消え去る直前、純白の尾っぽがゆらりと紛れた。