ひとりごと
沖縄から俺を心配して
すずめが会いに来てくれた時、
思っても言えなかったことを
やっと言えた。
ひとつひとつ、
言えなかったことを伝えるたびに、
心に刺さった杭が、
一本一本抜けていくようだった。
抜けた跡は、穴が開いたままだけど、
刺さったままよりずっとよかった。
本当の気持ちを言えたこと。
それを受け止めてくれたこと。
負け戦でもなんでも、
自分にもアイツにも
嘘をついたままにならなくてよかった。
こんなことを、高校生の女の子に
今頃教わるなんてな。
そりゃつぼみにバカにされるわけだ。
馬村に持っていかれるわけだ。
大人なんかじゃ全然なかった。
ずっと心をごまかしてきてたから。
俺も少しは大人になれただろうか。
次は、なんてまだ考えもできないけれど。