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タイムスリップ (3)

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次に目が覚めると、
心配そうに覗く諭吉の顔が
アップで飛び込んできた。

「うわ!」

「すずめぇぇぇ!
 目ぇ覚ましたかぁぁ!」

まだ頭はズキズキする。

「痛…」

「頭痛か?」

聞き覚えのある声が聞こえて
顔をあげると、馬村が立っていた。

「馬村…何歳?」

「は?何言ってんの?オマエ。」

声が少し若い。

それに高校の制服だった。

戻ってきた…?

「オマエが風邪引いて休んだ
 って言うから、プリント
 届けに来たんだけど…」

「オマエのおじさんが、
 学校行ったはずなのに
 オマエが家で寝てて
 呼んでも起きないって
 すごい形相で言うから…」

「どーなってんの?
 風邪じゃねえのかよ。」

大輝が心配そうに言った。


「馬村…戻れた!よかった!」

すずめの目から
はらはらと涙が溢れた。

「は?なんで泣いて…
 まだ寝ぼけてんの?」

「ん…木から落ちて…」

「え!?落ち?」

「大人の馬村と話して…」

「はぁ?何の話だよ。」

「馬村が安心して選択しろって
 言ってくれた。」

「わけわかんねーよ。
 病院行かなくて平気か?」

「馬村の近く行っていい?」

「は?///オマエは聞けよ!話を!」

のそりのそりと
すずめは少年大輝に近づいて 
とすっと大輝の胸に
顔を押し当てた。

「馬村の匂いだ…」

大人の馬村はかっこよかったし、
頼りになったけど、
やっぱり同じ歳の馬村が安心すると
すずめは思った。

「こらーっ!近づきすぎ!」

キッチンから水を持ってきた諭吉が、
二人の間に割って入る。

「おじさんも若返った~!」

すずめは諭吉に抱きつく。

「えええっ!どうしたんだ?すずめは。」

「夢でも見てたんスかね…」

作品名:タイムスリップ (3) 作家名:りんりん