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黄金の太陽THE LEGEND OF SOL 22

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 空には巨大な、紅蓮の鳥が羽ばたいていた。
「あ、れは……、鳥……?」
 次第に明らかになっていくものは、鳥ではなかった。大きな翼をはためかせているが、鳥ではない。
「っ!? この炎の力……!」
 ガルシアにだけすぐに正体が分かった。
 あの空を行くものは、燃え盛る炎の力を翼にしている。その炎に、ガルシアは以前に焼かれている。それ故にすぐに炎の力の正体が分かったのだ。
 それよりも明確な事があった。この力の持ち主は、ガルシアが物心つく前から共にいた者だった。
 それ故に、ガルシアの目にすぐにはっきりと写った。赤茶色の髪を後ろで結わえ、同色の服を身に着ける少女。
「あれは、ジャスミンだ……!」
 それは、これまで共に過ごし、ここまでの道のりを旅してきた、ガルシアの妹。
「……本当だ、本当に、ジャスミン……!」
 ピカードも今、はっきりと仲間の姿を認識できた。
「なにぃ!? まさかお前達の仲間か!?」
 全員がジャスミンの姿を捉えられるようになると、ジャスミンは炎の翼をたたみ、一気に降下してきた。
 右手に炎の刃を携え、ジャスミンはザガンに向かって突き刺そうとしていた。
「ぬう!?」
 ザガンはとっさにハルバードを振るった。しかし、刃を弾くどころか、ジャスミンの持つ熱によって刃先を溶かされてしまった。
 勢いそのままに、ジャスミンの刃はザガンの胸を貫いた。
「ごっ、かあぁ……!?」
 訳のわからぬままザガンは倒れ、そのまま息絶えた。同時にジャスミンは着地し、背中の翼を激しく羽ばたかせ始めた。
「っ!? 危ない、伏せろ!」
 ガルシアは本能で危険を感じ、ピカードと共に地に伏せた。
「いい判断ね、兄さん」
 ジャスミンは軽く笑みを浮かべ、翼の羽根を矢のようにして、バルログへと一気に放った。ガルシア達の上を、いくつもの羽根の矢が飛んでいく。
「うおおお!?」
 バルログは羽根に射ぬかれ、更に羽根の猛攻により、壁の崩落に巻き込まれていった。
 バルログの姿が爆煙に隠れると、ジャスミンは身に纏った炎をマントに変え、浮遊しながらガルシア達の前に立った。
「よかった、間に合ったみたいね」
 ジャスミンは顔だけを向け、ガルシアに微笑みかけるのだった。