この瞬間をいつまでも
「なんだよ、それ?」
久しぶりの遊園地デートで、
すずめは何やら
ビデオカメラらしきものを
持って現れた。
「おじさんがお客さんから
貰ったらしくて。
使っていいって言うから
持ってきてみた。」
「また荷物になんのに…
どうすんだよ。
それ持って乗るのかよ。」
「ていうか、バカ。
オレを撮んな。」
馬村は赤くなって
手で画面を遮った。
「あ!それじゃ映らないじゃん。
今日の馬村残せるし、いいでしょ?
記念に。ね?」
「は?何の記念だよ。」
「え?うーん、初ビデオ記念?」
「そこは2人の記念だとか
言うべきとこじゃねえのか。」
動画で残されると
写真よりなぜか恥ずかしい。
しかもデート中の自分を
他の誰かに見られるとか
自虐行為以外の何物でもない。
「いいの!ほら、馬村笑って!」
「無理!」
馬村は耳まで赤くして、
逆にそっぽを向いてしまった。
「なんだよー。」
「いいから、乗るぞ。
乗りたいの、あったんだろ?」
画面を遮ったまま
馬村が促す。
「そうそう!
新しいジェットコースター!
あ、ビデオ構えたまま乗ったら
すごいの撮れそうじゃない?」
「勝手にしろよ。」
はしゃぐすずめに、
馬村は少しだけため息をつくも、
結局付き合うのだった。
久しぶりの遊園地デートで、
すずめは何やら
ビデオカメラらしきものを
持って現れた。
「おじさんがお客さんから
貰ったらしくて。
使っていいって言うから
持ってきてみた。」
「また荷物になんのに…
どうすんだよ。
それ持って乗るのかよ。」
「ていうか、バカ。
オレを撮んな。」
馬村は赤くなって
手で画面を遮った。
「あ!それじゃ映らないじゃん。
今日の馬村残せるし、いいでしょ?
記念に。ね?」
「は?何の記念だよ。」
「え?うーん、初ビデオ記念?」
「そこは2人の記念だとか
言うべきとこじゃねえのか。」
動画で残されると
写真よりなぜか恥ずかしい。
しかもデート中の自分を
他の誰かに見られるとか
自虐行為以外の何物でもない。
「いいの!ほら、馬村笑って!」
「無理!」
馬村は耳まで赤くして、
逆にそっぽを向いてしまった。
「なんだよー。」
「いいから、乗るぞ。
乗りたいの、あったんだろ?」
画面を遮ったまま
馬村が促す。
「そうそう!
新しいジェットコースター!
あ、ビデオ構えたまま乗ったら
すごいの撮れそうじゃない?」
「勝手にしろよ。」
はしゃぐすずめに、
馬村は少しだけため息をつくも、
結局付き合うのだった。
作品名:この瞬間をいつまでも 作家名:りんりん