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I miss you

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珍しく汗をかいて
ハァハァと息を切らしている。

「馬村!どうしたの?!」

「どうしたのはこっちのセリフだ!」

「えっ!」

なんのことかわからず、
すずめはキョトンとしていた。

「さっきウチに来たんだろ?」

「え…うん。」

「なんでオマエは、メールするとか
 電話するとかしねえんだよ。」

「あ…そっか。」

「はーっ!暑っちぃ!」

「あっ、私、タオルあるよ。」

バッグからタオル取り出して
馬村に渡した。

「…サンキュ。」

家から走ってきたらしく、
ポタポタと汗が流れて落ちている。

汗を一通り拭いて、
馬村はすずめのほうを向いた。

「馬村、走って来たの?」

いつも涼しそうな顔をしている馬村が、
息を切らしているのが
すずめには新鮮だった。

「…オマエが来たって大地に聞いて…」

「ふられたんじゃねえのって言ったら
 ショック受けて帰ったとか言うし。」


「えっ!そんなこと大地言ったっけ?」


「聞いてなかったのかよ…」

「なんか用事だった?」

あとからあとから吹き出る汗を
すずめのタオルで拭いながら
馬村はたずねた。


「え…いや、その…
 馬村に会いたくて…」

「はっ?!///」

汗を拭って落ち着いたはずの
馬村の顔が、みるみるうちに
再び真っ赤になってしまった。

「だって…最近全然一緒に帰れないし。
 寂しいなぁと思いまして…」

「/////そうかよ。」

馬村は、全力で走って
息切れしているのと、
嬉しいドキドキが重なって、
どうにかなりそうだった。

「明日は?一緒に帰れる?」

馬村の制服の端っこを
ギュッと掴んで、
すずめは馬村にたずねた。

馬村はその仕草にグッときたが、

「悪い…帰りたいけど明日も無理…」

と断りをいれた。

「そっか…でも何してるの?
 あっこれ、聞いていいのかな?」

「今度ちゃんと説明する。
 言っとくけど、
 大地が言うようなことは
 何もねぇからな。」

そう言って頭からタオルを外した。


「でも会いたいって言ってくれるの
 嬉しい。」

馬村は照れながらそう言った。

「ホント?ウザくない?」

「なんでだよ。オレはオレばっかり
 そう思ってるかと思ってたわ。」

「馬村がいつも一緒にいてくれて
 それが当たり前になっちゃって、
 一緒に帰れないのが
 こんなに寂しいって
 気づいてなかったみたい、私。」

「ヤバイ…すげー破壊力…」

「へ?」

馬村はすずめを抱き寄せた。

「あ、オレ今、すげえ汗くさいかも。」

「汗くさい馬村って貴重だね。」

「こんなマジで走ったの、
 この間の体育祭以来だな。」

「焦った?」

「オマエが変な勘違いしてねえかと思って。」

うおぉっほん!

変な咳払いが後ろから聞こえた。

諭吉だった。

「おっ、おじさん!」

「あっ!こんにちは!」

慌てて二人は離れる。

「往来でそういうのはちょっと…」

「はい…すみません…」

馬村がかしこまる。

「往来じゃなければいいって
 そういうことでもないけどね!
 すずめの気持ちが向いたって言っても
 節度を持ってね!」

「は…はい…」

以前二人で交わした男と男の約束だった。

諭吉は家から忘れ物だけとって、

「俺がいないときに
 部屋に二人きりはダメだからね!」

と馬村を牽制して、
またカフェに戻っていった。


「オレも帰る。」

「うん。来てくれてありがとう。」

「オレも会えないと寂しいってことは
 覚えといて。」

「!///うん…」

馬村はキョロキョロと周りを見渡し、
諭吉も誰もいないことを確認してから、
すずめの頬にチュッとキスをした。

「っ…じゃあな!」

馬村は大いに照れながら帰っていった。

「~~~///。う、うん。また明日。」

すずめもそんな馬村の後ろ姿を見送った。

二人はほっこりした気持ちで
お互いの家に入っていった。

ちゃんと気持ちを言葉にすれば
不安がなくなることを実感しながら。


作品名:I miss you 作家名:りんりん