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靴ベラジカ
靴ベラジカ
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魔法少年とーりす☆マギカ 第十一話

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両親の急死。 習い立てで表面だけをなぞった拙い一族の歴史を嘲り、祖父の代へ遡ってまでカークランド一族を侮辱したクラスメイトに激昂。 手加減も出来ず殴りかかり、そのまま腰椎骨折に至らせてしまったのが彼最初の不運であった。 図らずも傷害事件を起こしたアーサーは警察に連行され、執事や馴染みの証言、潔白な前歴のお陰で少年院逝きには至らなかったが、逮捕されたと言う事実は明らかに一中学生の印象に深々とした大きな傷を残して行った。
 彼は事件後も、初めは真面目に勉学に務めていたが、周囲からの【不良】と言う色眼鏡が外れ、レッテルが拭い去られる事は結局無く、いつしかアーサー自身も、不良と言うレッテルその物に支配され、相手を心から信頼せず、気に喰わない態度には惨いほどに鋭い皮肉を返し、暴力沙汰も厭わない…。 気付けば、悲劇の御曹司であった世間からの印象は、知的で皮肉で虫の好かない不良へと様変わりしていた。
 出会いは意外なものであった。 アーサー・カークランド中学一年、入学間もない初夏のときわ中文化祭。 美術の授業で、嫌々ながらも真剣に、カークランド家に脈々と受け継がれて来た、英国式西洋かぶれと伝統的陶芸を組み合わせて製作した絵皿。 彼なりに中々の自信作だったが、一人を除き真っ当に批評する者は居なかった。

 「…素敵です。 アングロジャパニーズ風と言いますか、独特で― とてもすごいセンスをお持ちの生徒さんが製作したんですね」
 野暮ったい様で無駄の無い黒髪のショートカット。 少々丈余りの近隣高校の制服姿。 下手をすればアーサーと同年代に見える幼い小柄な体躯だが、真剣に作品を見つめる面持ちからは二十に届かない青年とは思えない、老練の落ち着きすら感じられる。 サボった担当部屋を抜け、暇を持て余したアーサーは思わず声をかけた。
 「それ… 俺が作ったモンだ」
青年の穏やかな微笑み。 後に本田菊と名乗った高校生との談義は、アーサーが担任に見つかりこっ酷く叱責される昼過ぎまで続いた。 久しく、新しい電話番号が登録された。
 アーサーは孤独に耐え切れない。 そんな日の放課後に時折、やがて頻繁に、菊に電話をかける様になった。 沸騰しやすい同学年、冷ややかな教師達と違い、電話越しの菊は何時も適度に相槌を打ち、穏やかに論じ、どんなに不良モドキが声を荒げようと、決してアーサー自身の人格を否定する事は無かった。 心を覆い尽くす荊が枯れ落ちていく。 自身から少しずつ剥がれる不良と言う乾いた泥と共に、この少年が失った家族愛と同情混じりの友愛を歪に、尚且つ屈託なく純粋に、取り違えていくのも無理は無かった。
 出会って間もなく、学生には馬鹿にならない年齢差があり、血縁関係もない相手。 冷静に考えれば、中々に異様な間柄である菊からの始めての遊びの誘いにも、ごく自然にアーサーは快諾した。