二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

甘えてほしい

INDEX|4ページ/4ページ|

前のページ
 


「うん…馬村…私今日れ、
 神様に、馬村に出(れ)会わせてくれれ
 ありがろうっれ言っらよ。」

「は?」

ろれつが回らない喋り方なので、
何のことを言ってるのか
理解するまでに少し時間がかかった。

「馬村にれあえれよかった…
 これからも一緒にいれくれる?」

すずめの思いがけない言葉に、
馬村は照れながら

「当たり前だろ。」

と言った。

「ふふ…嬉しい…
 ずっろ一緒にいれね…」

「普段もそれくらい
 言葉にしてくれりゃいいのに。」

「ん?」

「いつもそれくらい甘えろって
 言ってんの!」

「んー。わらし、甘えれら?
 馬村、嬉しい?
 馬村が嬉しいならわらしも嬉しいよ…」

「馬村…?」

「なんだよ。」

「チューしれほしい…」

「えっ!///」

すずめの甘え方がどんどん
エスカレートしていく。

そりゃ甘えろとは言ったけど。

「らって甘えれいいっれいっららん。」

「何言ってんのかもうわかんねーよ。
 酔っ払いすぎだ。」

「甘えれいいっていっらのに!
 チューしれくれないの…?」

すずめに上目遣いに見られ
なけなしの理性をなんと保ちながら

「酔ってる時にしたくない…」

と馬村はかろうじて言った。

「そ…か。馬村は酔っらわらしは
 嫌いなんらね…」

「は?嫌いなわけねーだろ。」

馬村の手で挟んだすずめの顔が
プクーと膨れている。

「ああ、もう!知らねーからな!」

そう言って馬村はすずめの唇を
優しく塞いで離した。

「日本酒くせー…」

「もう1回。」

「えっ?!オマエヤバイぞ?」

「らって短い…」

「……っ」

酔ってるからだと思いながらも、
いつも淡白なすずめにそう
積極的になられると
馬村も我慢ができなかった。

もう一度すずめの唇を塞いで、
今度は角度を変えながら、
長い長いキスをした。

「んっんん…ふ…」

すずめから吐息が漏れ、
我慢する気持ちを煽る。

はぁっと唇を離して馬村は、

「オレも酔いそう…」

と言った。

「でもこれ以上は外だろーが
 襲いそうになるから…」

なんとか自分に歯止めを利かし、
馬村は立ち上がった。


「立てるか?」

「うん…」

すずめはまだ少しフラフラする体を
馬村に支えてもらいながら立ち上がった。

手を優しく包んでもらうように繋ぎ、
家に向かって歩き出す。

歩きながら、
すずめは少しだけずつ
正気に戻っていった。

と同時に、みるみる赤くなった。

今度は恥ずかしさで。

「まだ顔赤いな?まだ熱いか?」

また馬村が自分の冷たい手を
すずめの頬に当てると、
すずめはハッとして
さらに顔を赤くして
後ずさりをした。

「いやっいいです!////」

「?オイ?」

「私っ…すごいことを…」

「冷めた?記憶はあるのかよ?」

「~~~~っごめん…」

馬村はホッとしたような
残念なような気持ちになった。

「やればできんじゃん。」

「え?///」

すずめは顔から火が出そうだった。

「甘えてくれてオレは嬉しかったけど。」

「なっもう言えないよ!あんなこと!」

「つまんねえの。
 シラフでも言ってみろよ。」

馬村は少し意地悪な顔で
笑って言う。

「ムリムリムリムリムリムリ!」

「あれがホントは本音だろ?」

すずめはカァァァと
さらに顔を赤くした。

「ちっ違います!」

「どーだか。」

馬村が楽しそうに笑っていた。

「あ、明けましておめでとう。」

「オマエ話題そらしたな?」

「えっでも言ってなかったから。」

「おめでとう。今年もよろしく。」

「うん。よろしくね。」

来年も再来年も、こうやって
手を繋いで初詣ができますように。

それから酔わなくても
馬村が喜ぶ甘え方ができますように。


結局たくさん願い事をしながら、
すずめは神社を後にした。
作品名:甘えてほしい 作家名:りんりん