機動戦士ガンダムRSD 第4話 星屑の戦場
今度は、シグマン少佐が呼び止めマーネリー軍曹が返事をした。
「やるなら勝てよ」
シグマン少佐がマーネリー軍曹が激励した。
「当たり前です」
そういうとマーネリー軍曹は、今度こそトラックに走って行った。
「私もう一度走ります」
そういうとマーネリー軍曹は、スタート準備をした。
「気合が入ってるな。
まさかジャージを脱ぐとは、思わなかった」
ジャック中尉は、思わずそんなことを言った。
「そうだな」
シグマン少佐も同じだった。
そこにケイト中尉が来た。
「あれ?
マーネリー軍曹は、もう一度走るんですか?」
ケイト中尉がシグマン少佐たちに敬礼しながら質問した。
「そうらしい」
シグマン少佐が敬礼しながら答えた。
「どうやらケイト中尉に抜かれたのが悔しかったようです」
ジャック中尉も敬礼し答えた。
「そうなんだ」
ケイト中尉は、困った表情で言った。
「これは、面白くなってきましたよ」
ジャック中尉は、ニヤニヤしながら言った。
「もう、ジャック中尉」
ケイト中尉は、出生の環境が悪かったため誰かと比較されるのが嫌だった。
シグマン少佐は、そんなやり取りが面白く笑っていた。
「それでマーネリー軍曹は、どう思います?」
ジャック中尉は、シグマン少佐にそんな質問をした。
「どうって?」
しかしシグマン少佐は、質問の意図が分からなかった。
「ケイト中尉のタイムを抜けると思いますか?」
ジャック中尉は、今度はストレートに質問してみた。
「確実に」
シグマン少佐は、即断言した。
「どうしてわかるんですか?」
ケイト中尉は、なぜそんなことがわかるのか興味を持った。
「あいつの目が珍しく本気だったから。
こういう時のマーネリー軍曹は、ちょっと厄介なんだ」
シグマン少佐が答えの理由を述べた。
「私には、わかりませんでしたが」
違う艦に配属されているケイト中尉ならいざ知らずジャック中尉もわからなかった。
「走るようです」
ケイト中尉は、マーネリー軍曹が走るようであると言った。
「ドキドキだな」
ジャック中尉は、新記録樹立するか否かを楽しんだ。
そしてマーネリー軍曹は、走った。
「楽勝だったでしょ」
走り終わったマーネリー軍曹は、新記録を樹立させ息を乱してなかった。
「だったらジャージを脱がずに勝てよ」
正直最愛の彼女に肌の露出が激しいユニフォームで走ってほしくなかった。
「すみませんでした」
マーネリー軍曹は、そんなシグマン少佐の心を見抜き笑顔で謝った。
「それにしても今日は、どうしたんだ?」
シグマン少佐は、マーネリー軍曹に違和感を持ったので質問した。
しかしマーネリー軍曹は、シグマン少佐が言わんとしていることが分からなかった。
「普段ならこんなことでムキになることないだろ」
シグマン少佐は、普段のマーネリー軍曹の行動を言った。
「気分です、気分」
マーネリー軍曹は、照れ隠しをしながら答えた。
今度は、シグマン少佐がマーネリー軍曹の心理を読んだ。
「何ですか?」
マーネリー軍曹は、何かたくらんでいると感じ鎌をかけた。
「いや、別に」
シグマン少佐は、華麗にスルーした。
しばらく2人は、黙った。
「お疲れ、ハイマン」
シグマン少佐は、マーネリー軍曹をねぎらった。
「ありがとうございます」
マーネリー軍曹は、照れながら礼を言った。
※
ルナツーでは、ある異変が観測されていた。
「え?
そんなはずないだろ」
ルナツー監視衛星職員の1人が報告を聞いて耳を疑っていた。
「いや何度も確認した。
見てくれ。
こっちが2時間前のだ。
間違いなくアメノミハシラにイズモ級が入渠した」
ルナツー監視衛星職員の1人がそういうとモニターには、砂嵐が混じっているがアメノミハシラにイズモ級が入渠するのが映っていた。
「そんなバカな。
アメノミハシラは、軍事設備を放棄したはずだぞ」
それを見たルナツー監視衛星職員の1人は、現実を受け入れられなかった。
スウィート条約でオーブ連合首長国は、アメノミハシラの軍事設備を放棄しなければならなかったからだった。
※
ミネルバは、ガーティー・ルーとともに逃亡を続けながら作業員が船外活動で船体の修理を行っていた。
アーサー副艦長は、ブリッジでどこをどのように修理を行うか決めていた。
タリア艦長は、艦長室で椅子に座り休んでいた。
ルナマリア少尉は、自室のベッド寝ていた。
作品名:機動戦士ガンダムRSD 第4話 星屑の戦場 作家名:久世秀一