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HappyBirthday

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「馬村、明日夜ご飯食べにこない?」

「え?」

2月9日。

思い切って誘ってみた。

2月10日は馬村の誕生日。

去年は友達として
ヘッドホンをプレゼントしたが、
今年は彼女になったんだ。

何か喜ぶことをしたいと思って
結局グラタンをご馳走することを思いついた。

と言っても、
自分で思いついたわけじゃなく、
ゆゆかの

「あげるモノが思いつかないなら
 好きなもの作ってあげれば?」

という助言があったので、
ようやくプレゼントが決まった。

それでおじさんに、ここんとこずっと
作り方を教えてもらっていたのだ。

次の日は祭日で学校休みだから、
ゆっくりできるしね。

「……オマエ、日に日に傷増えてるもんな。」

「えっ!ななななな何でもないよ?」

すずめが毎日
手や腕に切り傷や火傷のあとを
つけていた理由を、
そういうことか、とようやく馬村は察した。


「バレバレなんだよ。」

「楽しみにしとく。」

馬村がそういうのを聞いて、
すずめはホッとした。

「来てくれるの?」

「行くよ。でも張り切りすぎんなよ。」

「うん!」

獅子尾の誕生日の時は、
プレゼントしようと頑張っていたら
そんなことして欲しくない、
と言われて悲しかった。

だから今回、
馬村にもそう言われたらどうしよう、
と内心怖かったのだ。

嬉しい!

美味しいの作らないと!

すずめは一気に
気分が上昇した。

馬村は馬村で、
料理などできそうにないすずめが、
自分のために練習して
ご飯を作ろうとしてるのが
素直に嬉しかった。

おにぎりの前科もあるので、
味は期待していないが。

作品名:HappyBirthday 作家名:りんりん