銀時×土方
昨日万事屋付近の路上にて…
偶然にも銀時は沖田に会った
「あれ?旦那じゃないですかィ」
『おー。沖田くんか。何?仕事?』
「散歩という名の仕事でさァ」
『要するにサボリね…。あそうだ 多串くん元気?最近全然会ってなくてさ』
「土方の野郎なら毎日忙しく書き物してまさァ。」
『やっぱ忙しいのかぁ。なら仕方ねぇわな』
「旦那ァ。土方さんに会いたいんですかィ?」
『そりゃ…まぁな』
少し考える素振りをみせ沖田は言葉を続ける
「…それなら俺に良い案がありますぜィ」
『まじで?聞かせろよ沖田くーん』
「それは内緒でさァ。まぁこの事は俺に任せて旦那は明日屯所に行ってくだせェ。明日も自室に居るはずでさァ。」
『ん…そうか。わかった』
「俺が旦那に協力する事も秘密ですぜィ?協力するなんて野郎に知られるのは御免でさァ」
『あ…そう?…とりあえずサンキューな沖田くん』
銀時は手をひらひらと振って沖田の元を去り
「それじゃあさっそく屯所に戻って作戦実行でさァ」
沖田は黒い笑みをこぼし屯所に戻った
屯所に戻った沖田は作戦を実行すべく手をパンパンと叩きながら隊士らに声をかけていく
「はーい みんな集合。」
「ん?なんだ総悟」
「なんだなんだ?」
「なんだよー 沖田隊長」
「どうかしたんですか?沖田隊長」
近藤さんと隊士達が集まったのを確認して話始める
「日頃頑張ってるみんなに土方さんから褒美らしいですぜィ?明日は全員オフで焼き肉屋でもキャバでも行って良いみたいでさァ。全部土方さんが奢るって言ってましたぜィ。屯所の留守番は土方さんがやるって言ってまさァ。」
すると歓声が湧き上がった
「うぉぉぉ!!!」
「さっすが副長たぜ!!」
「副長最高!!!!!」
「トシは太っ腹だなぁ。だが局長の俺までいいのか?俺は残ってもいいぞ」
屯所に残ろうとする近藤に沖田は言う
「いつも忙しい近藤さんにもたまにはハメ外してもらいたいんじゃないですかィ?」
「トシの奴…!!じゃあ皆!トシの言葉に甘えて明日は楽しもう!!!」
素直に嬉しかったのだろう
近藤は涙ぐみながら皆に声をかける
そして"おー!!"っと隊士達のかけ声がした
「あぁそうだ。礼はいらないらしいですぜィ?土方さんはシャイですねィ。"領収書は土方十四郎で頼む"との事でさァ」
沖田が真顔で言うと今度は
「本当シャイだなー副長は!」
「わかったよ!!」
と 笑い声と了解する声が聞こえた
――――――
その頃土方は自室で書き物などの仕事のため机に向かっていた
「なんだ?アイツらうるせぇぞ…。"うるせぇ"って怒鳴ってやりたいがそんな時間は無いな。だがこの量なら明日の昼ごろまでには終わるか」
"さてもう一息"と言わんばかりに背伸びをし煙草に火を付け再び机に向かう
次の日に起こる幸せと
更に次の日に起こる最悪な出来事の事など予想もせず――――――――
翌日 土方が起きると既に誰も居なかった
遊びに行くとなると普段より早起きな隊士達……
「なんだ?誰も居やしねぇ…。何かあったのか?――誰も居ねぇんじゃ屯所を空けるに空けられねぇだろ。…とりあえず仕事すっか」
誰も居ない理由を土方が知るはずもなく 不思議に思いながらも仕事を始める
そして仕事が終わって一息ついた頃に銀時が訪ねて来た
"仕事だから仕方ない"とはいえ土方も銀時に会いたかったのだろう
誰も居ない事もありいつもより淫らな姿で銀時を魅了させお互いにすごく幸せな日になった
次の日 銀時は昨日の事を思い出しずっとニヤニヤしていたが―――――――…
今土方の手元には数十枚の領収書がある
しかもどの領収書も見間違いではないか…勘定し間違いなのではないかと思うほど0が並んでいた
「な………な……っ……………なんじゃこりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
屯所の端から端まで届くほどの声で叫ぶ鬼の副長
そんな姿を襖を少し空け覗き見る1番隊隊長
(俺のおかげで旦那と2人きりになったんでィ。こんくらい安いものでさァ)
この後沖田の視線を察知した土方は瞬時に沖田の仕業だと気づきいつも以上の追いかけっこが始まる……
「てめっ!!!待ちやがれ総悟ぉぉぉぉぉ!!!!!!切腹だコラァァァ!!!!」
土方はこのすごい額の領収書をどう処理するつもりなのだろうか――――――――…
END