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三つ巴

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日付が変わる頃、大輝はすずめを
家まで送り届けた。

すずめは本当に幸せな気持ちでいっぱいだった。

自分の幸せを願ってくれる人が3人もいる。


お風呂に入りながら、
手につけた三つの指輪をみて
すずめは微笑んだ。

その中でも左手の指輪には
またキスをして、

「大好きだよ。」

と呟いた。

翌朝、すずめの手に、
3つのシルバーリングがつけられてるのを見て、
諭吉は焦った。

「まさかだけどすずめ…
 それは馬村くんからとか?」

「あ、うん。こっちが大輝で、
 これが父ちゃんから。」

「・・・へーふーん。あっそう。
 じゃあ僕のなんて要らないねえ?
 だっておじさんからもらってもねえ?」

「え・・・なんで?」

すずめは諭吉がワナワナしているのを見て焦った。

「なんでって…」「うっ…」

諭吉はその日から一週間ブルーだった。

彼氏でもない、父親でもない、
それでもかわいい姪のために
幸せ願ってもいいじゃないか、
そう自分に言い聞かせるのに
一週間かかったらしい。

というのは、つぼみ談だ。

そしてうっかり3つの指輪とも
田舎の帰省にして帰って、
父ちゃんにも大輝の存在を
知られることとなり、
やはり父も一週間ブルーだった、
というのは母から聞いた話。
作品名:三つ巴 作家名:りんりん