三つ巴
通り裏のラブホテルに入り
チェックインする。
部屋に入りドアを閉めると
コートも脱がないまま、
すずめの後頭部をグッと引き寄せ
激しくキスをした。
「ふっぁんっんっんっ大輝っ」
息もできないくらい、
それこそ貪るように唇を合わせる。
食べられているようなキスだった。
…んっ
息継ぎをするように少し離れ、
見つめ合い、また貪る。
唾液が絡み合い、離れた時に糸を引く。
すずめには大輝が綺麗な豹に見えた。
あんな風にご飯を食べたせいだろうか。
いつもと違って大輝が野獣のようだ。
激しく唇を重ね合わせながら、
コートを脱いでいく。
洋服の上から大輝はすずめの胸を揉みしだき、
反対の手でスカートをたくしあげる。
休む暇も考える暇もない。
すずめはいつもより興奮していた。
大輝も本能のままに動いているようだった。
ただ快楽を求めて、
ただ思うがままに。
声が恥ずかしいとか体がどうのとか
そんなことは忘れていた。
最後までコトをし終えたあと、
二人はハッと我に返った。
ほとんどどうやったか記憶にない。
ただもう気持ちよく愛し合ったことしか。
目をあわせてお互い無性に恥ずかしくなった。
「大輝…ホントに幸せだよ?わたし。
いつも誕生日祝ってくれてありがとう
大事にするね。指輪。」
大輝はギュッとすずめを抱きしめた。
「幸せなのはオレのほう…」
「誕生日おめでとう。」
そう言ってすずめの左の薬指にキスをした。
「ありがとう。」
すずめは返すように大輝の唇にキスをした。
大輝はこの先もずっと
すずめを一番幸せにしていきたいと思った。