記憶のかけら
「ないわけないだろ。俺としてたっつーの。それ以上のこともな」
チュッと音を立てて、軽く唇を合わせるとすずめが慣れるまでそれを繰り返した。
「たぶん…身体は覚えてるよ…」
「んっ…」
頃合いを見て深く口付けると、角度を変え、何度もされているうちに、すずめは腰が抜けて立っていられなくなり、馬村の首に腕を回した。
「ふっ…はぁ…っ」
「ほら…覚えてる…。お前いつもそうすんだよ」
「知らない…っ、あっ…ん」
「感じやすいとこは…ココ…な」
「あっ…はぁ…ん」
すずめの耳の下から首すじにかけてを舌で何度も舐めると、身体がビクビクと震え、回した腕に力が入る。
「あと、ココも…弄られるの好きだよな」
「んんっ…あっ…気持ちいい…っ」
制服のブラウスの上から、胸の突起を弄られると、足の間が濡れてくるのが分かる。
「はぁ…あっ、だい、き…」
馬村は、すずめの太ももの隙間に自分の足を入れて軽く揺すると、すずめは腰をくねらせて敏感になったそこを、馬村の足に自ら擦り付ける。
クチックチッといやらしい音を立てて、馬村のズボンを濡らしていく。
「んっ、あぁ…っ、なんか変になっちゃう…っ、止まんない…っよ」
「記憶なくても、エロいな…やっぱり」
まるで1人Hのように夢中で腰を揺すり、馬村の足に秘部を擦り付けるすずめの妖艶な姿に生唾を飲み込むと、自身の足を引き抜き、指をズチュッと入れた。
「あぁ…ん、なに、はぁ…っ、凄い」
グチュグチュと中を掻き回すように、激しく指を動かす。
「んっ…んっ…いいっ…」
「イカせてやるよ…」
足はガクガクと震え、首に必死に縋り付く。
「あぁっ!」
指を増やし激しく奥を突くと、すずめは簡単に絶頂に達した。
その瞬間、ズルッと腕の力が抜けて、後ろに倒れこむ。
「おいっ!」
ゴツンッ
鈍い音が部屋に響く。
まさか、首に回した腕を離すとは思わなかったため、助けるのが遅れた。
「大丈夫か!?」
すずめは本棚に頭を強打し、しばらく身動きが取れなかった。
「う〜、イタタ…。うん…?あれ…?」
「また、記憶喪失になってたり…しないよな?」
「馬村…?あ、あれ?何で?私…」
(馬村…ってまさか…)
「思い出した…のか?」
「うん…思い出した…。何で、忘れてたんだろう…」
馬村は、はぁーと深いため息をつくと、安心したようにすずめを抱きしめた。
「おまえは…ったくもう…」
すすめも当たり前のように、馬村の背中に腕を回した。
「馬村…ごめんね。不安にさせてたでしょ?」
「覚えてんのか?」
それまでの記憶も全て残っている。
「うん…」
また、先生との間でフラフラするんじゃないかと思っていたのだろう。
馬村が、2人でデートした場所の水族館に連れて行かなかった理由も分かる。
「でも、やっぱり…馬村のこと好きになってたね」
「そうだな…良かった」
「きっと、何回忘れても…、また好きになるのは馬村のことだよ…」
すずめは、愛しい恋人の肩口に顔を埋め、首にキスをした。
「でも、もうコリゴリだよっ」
「俺もだよ…」
「あ、大輝…だったね」
「続き…する?」
すずめが聞くと、2人は視線を合わせ笑いながら、いつものようにキスをした。
fin