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こらぼでほすと プラント4

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「え、ちょっと、とーさん。アカデミーは、ザフトの制服にしてくれよ。そのほうが恰好いいって。」
「トダカさん、俺、どっちも着たい。」
「あははは・・・もちろん、悟空くんたちのも用意してあるから、みんなでコスプレしよう。正装にするかい? 悟空くん。それなら、ものすごく派手だよ? 」
「いや、そこまではしなくてもいいけど。俺、シンと同じの着たいなあ。」
「オッケー。ルナマリア、赤服も調達しといてくれよ。確かに悟空なら赤服のほうがいいや。」
「え、それなら僕も赤服がいいよ、シン。ママは白でしょ? 並んだら、そのほうが綺麗だ。」
「大丈夫よ。各種、用意しておいたわ。ホテルに運ぶ手配はしておいたから、似合うのを着てみて、悟空、リジェネくん。」
「じゃあ、シンたちもオーヴの制服も着てみるかい? 一応、用意はさせておいた。」
「それもいいな。キラ隊なら、どっちでもいいもんな。全員で、オーヴの制服とかで写真撮ろうぜ。」
 ほぼコスプレ遊びであるらしい。まあ、シンたちもトダカも、元々がエリートな人たちだから、そういうことが可能らしい。


 アライバルゲートではなく、別の出口に案内されたら、そちらにも数人が待っていた。一番前で待っていたのは、白の士官服の美人さんだ。眼の前に近付くと、一斉に敬礼された。妙齢の女性の士官服で、とても色気がある。
「ようこそいらっしゃいました、トダカさん。キラ隊顧問のタリア・グラディスです。」
「え、タリアさんまでキラ隊なのかい? 」
「ええ、キラくんから連絡をいただきましたので、ザフトの代表ということで。お久しぶりです。」
「お久しぶりです、タリアさん。きみはギルさんの関係者で出て来ると思ってた。」
「いえ、むしろ、それを撃退するように、と。うふふふ・・・私とルナマリアで、きっちりと護衛させていただきます。どうぞ、ご安心ください。・・・とても可愛いお嬢さんですね? 話には聞いてましたが、すっかりトダカさんが親バカになってるって。」
「それ、一桁組からかな? 」
「はい、あちらからも連絡をいただきました。市内を案内する時は私服で参りますので、ご安心ください。コースは、シンとレイと相談しておりますので。とりあえず、ホテルへ案内いたします。」
 タリアは本来、キラ隊の所属ではないのだが、キラから変態撃退のお願いを受けたので、急遽、顧問ということで出張ってきた。今は、軍艦勤務でなかったので、予定を空けられたからだ。もちろん、オーヴの一桁組からも、くれぐれもトダカを激怒させないように、というお願いも受けた。ルナマリアで対応できない部分は、タリアの担当だ。それに久しぶりに、シンたちとも出会えるので楽しみにしていた。そのまま通路を進んで、駐車場へ出ると車も用意されている。ルナマリアとシンが運転席と助手席に座り、こちらの後部座席にレイと悟空が乗り込む。もう一台にはタリアが運転席、助手席にリジェネ、後部にトダカとニールだ。地下の駐車場から出て車は静かにホテルまで走る。運転席といっても自動操縦だから、タリアは気楽に背後に顔を向ける。
「うちの子、世間知らずだから頼むよ? タリアさん。ニールと前に居るのがリジェネだ。」
「初めまして、ミス・グラディス。ニール・ディランディです。」
「まあ、ご丁寧に。あらたまらなくていいのよ? ニールくん。私はシンとレイの上司だったので、よく知っているし、トダカさんとも『吉祥富貴』のみんなとも知り合いだから。タリアで結構です。」
「ああ、そうなんですか。」
「仕事で特区に行ったら、お店にも顔を出しているの。なかなか、あなたに会えなくて残念に思っていたのよ。身体は、もう大丈夫? 」
「ええ、完治はさせてもらいました。体力は、なかなか戻りませんが。・・・すいません、俺、店にもなかなか出れなくて。」
「そうなんですってね。マリューから、そう聞いてたの。」
「タリアさん、だから、長時間の活動は無理なんで、そこいらは調整してくれないか? シンとレイだと詰め込みすぎてないか心配でね。この子は張り切ると危ないから。」
「ほほほほ・・・もちろん、それはレイに聞いてます。半日程度の外出になるようにスケジュールは組み込みましたし、フリータイムも用意してあります。二十四時間、往診もしてもらえるように手配してありますから、ご安心ください。」
「あ、タリアさん、どこかでプラントのお菓子とか買えますか? あと、ビールとか。」
「それはお土産? 」
「ええ、亭主が留守番をしているから。それに、キラたちにも、おいしいものを用意したいんで、それを買える時間も入れてください。」
「もう、亭主の心配かい? 娘さん。」
「だって、不自由だと思うし・・・俺もスーパーとか行ってみたいですよ、トダカさん。たぶん、そういう予定はシンたちだと入ってないでしょ? 」
「ないだろうねぇ。あの子達だと、せいぜいコンビニで買い物ぐらいだと思うな。」
「でしょ? 俺、街をブラブラとか、そういうのが好きなんで。」
「タリアさん、なんとかなるかな? 」
「はいはい、それなら適当なショッピングモールでも散歩に行きましょう。シンたちと別行動の日もあるので、その時にでも。でも、ニールくん、こちらのものは地球のコピーになるので珍しいものはないかもしれないけど、いいの? 」
「プラントで売れてるお菓子とかビールなら珍しいだろうとハイネから聞いたので。そこいらをお願いします。」
「了解。こっちのブランドもののお菓子を紹介させてもらうわね。」
「ありがとうございます。」
 市街地に入ると、街は特区と似たような感じだ。それほど軍事国家とか気にする必要はなさそうだ。普通に暮らしているコーディネーターなら、ニールたちと変わらないので、外出なんかも普通に出来る、と、タリアから説明も受けた。アプリリウスは、プラントの首都にあたるので、政治中枢に関する機関は揃っている。その代わり、軍事関係のものは少ないらしい。数日、アプリリウスで過ごしてザフトアカデミーのあるコロニーへ移動する予定だと、ニールも聞いている。
「コロニーに滞在するのは久しぶりです。やっぱり、綺麗ですね。」
「まあねぇ。ここは首都にあたるんで、そういう意味でも環境には気をつけている。リジェネくんは二回目かな? 」
「うん、ママのお迎えに来たから二回目。でも、アプリリウスは初めてだ。ママ、あとで近所を散歩しない? 」
「そうだな。行動制限とかありますか? タリアさん。」
「いいえ、好きなところへ出向いてくれていいわよ。ただし、迷子にはならないでね? 」
「ええ、それはシンかレイも一緒してもらいます。俺、地理がまったく不明なんで。」
「でも、娘さん。まずはお昼寝してからだ。今日は疲れているんだからね。」
「はいはい、お父さん。ちょっと横になってからにしますよ。」
「僕が抱き枕になるからね、ママ。」
「私は、きみが昼寝している間に大使館へ顔を出してくるよ。絶対に起きても外出しちゃダメだよ? 散歩は、私も付き合うから。」
「わかってますよ、トダカさん。待ってますから。」