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こらぼでほすと プラント5

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「はあ? キラが勝手に暴走した場合って、そんなに確率高いのか? だいたい、あいつ、地上にいるじゃないか。」
「だから、俺らもキラさんより早く戻れるってわけ。地上に、俺らの機体もあるから、それで大気圏突破すりゃ、キラさんに追いつける。もし、俺らが遅れたら他のザフトレッドで、なんとか足止めってことらしいぜ。その間に追いついて俺たちで防御っていう感じ。」
「ママ、キラさんは普段とは完全に違います。なんせ、『白い悪魔』ですから。ザフト全軍で対処する必要があるんです。」
「まあねぇ。そこまで怒ったら、あたし、会いたくないですよ? おねーさま。キラさん、ものすごいんで。ついでに、アスランも。」
 一応、キラたちの戦績やらデータはニールも見せてもらっているから納得はするが、プラントが、そこまで必死になるほどなのだとは思わなかった。
「ハイネが言ってたけどね、シン。キラ様の異変が起きたら、まずニールを派遣するって。それも有効だとさ。」
 トダカのひと声で、おおっとシンとレイは大きく手を叩いた。確かに、そうかもしれない。キラが何かしら激怒するようなことがあったら、まずニールを派遣して宥めてもらうのは有効だ。もし、些細なことなら、ニールの拳骨で治まる場合もあるからだ。
「ただし、ニールがキラ様の話を聞いて、『そういうことなら行って来いっっ』って賛成した場合は、さらに危険なんだけどね。」
「「「うっっ」」」
 トダカのさらなる言葉に、ザフトレッドは沈黙した。そうなると火に油状態で、キラは盛り上がることだろう。
「いや、止めますよ、俺は。戦争なんてやらないにこしたことはないんだから。」
「でも、娘さん。例えば、プラントが地球を破壊できる兵器を秘密裏に開発したとしよう。それで脅しをかけた場合、きみはキラ様の出撃に賛成するんじゃないかい? 」
「・・・・そりゃ、そういうことなら・・・でも、それはないでしょう。プラントだって恒久平和を望んでるはずだ。」
「でも、連邦はやらかした。刹那君はキレたよね? 」
 そう言われれば、そういうことなので、あーとニールも中空に目をやる。連邦は、自分たちが有利になるために、そういう武器を作り出した。連邦にとっての平和が、他の国の平和と同じものではないから、そういう齟齬は引き起こされるのだ。確かに、そういうことなら、ニールは同意してキラの背中を押すだろう。
「まあ、そういうことなのさ。だから、一概にきみに止められるとは言えないし、私もキラ様に同意するかもしれない。最悪の場合を想定したシュミレーションなので、そうなる前に止めるつもりだけどね。ハイネも、それは考えているはずだ。ただ、きみに話をする時間の分だけ時間稼ぎができるからシンたちを配備できるという算段もしてるんだろう。あれも抜け目のない男だから。」
 キラの暴走に対して幾重にも壁を作る。その間に事態を収束させれば、暴走は止められる。そこいらも考えてのことだ。
「できる限りは止めますよ。あと、悟空にも話をさせればいい。二人分の時間なら、結構かかります。」
「そうだな。キラがおかしかったら、俺がキラとアスランを殴れば済むことだ。」
「それ、有効だけどさ。キラさんが怪我するとアスランがキレるぜ? 悟空。」
「その前に先に沈める。キラよりアスランのほうがヤバイだろ? アスランをとりあえず、ダウンさせてから話を聞けばいいんだ。」
「なるほど。それはありだな。」
 キラは身体能力は高いが、対人間の実戦向きではない。アスランは、元々軍人だから、まず、そこを潰しておくのは基本だ。悟空も長年、肉弾戦の経験は積んでいるから対処はできる。
「まず、ママが顔を出せれば穏便に進むとは思います。」
「うん。・・・・そうか、あいつ、『白い悪魔』だもんな。」
 周囲に誰も居ないので、のんびりと物騒な会話をしている。本日の案内役はルナマリアだけだ。タリアも仕事があるから、ずっと護衛にはつけないと初日に話していた。
「次は、どこへ行くの? ルナマリア。」
「どこか希望ってある? リジェネ。一応、美術館とか博物館とかは予定してるけど。」
「そういうのよりショッピングモールとか行きたいな。堅苦しいのは飽きた。こっちのアニメのグッズとかはないの? 」
「ああ、そういうのがいいならあるわよ。トダカさん、おねーさま、何か希望は? 」
「私は、これといってない。娘さんは? 」
「俺もないですね。悟空は? 」
「俺、こっちのB級グルメを食べたいなあ。」
「じゃあ、アニメグッズのあるショッピングモールへ行って、フードコートでおやつを食べるということで。今晩は、カフェレストランで、ちょっとオシャレなイタリアンの予定です。」
 店までは調べなかったので、そこいらはプラント在住のルナマリアが探してくれた。シンとレイで、大まかな予定だけ組んだので、それに合うようにセッティングしてくれている。
「シンとレイは、職場のほうはいいのか? 」
「それも予定してる。三日後に本部に顔は出してくる。その日は、父さんとオーヴ大使館へ遊びに行ってくれ、ねーさん。」
 変態との顔合わせが終わったら、シンとレイはザフトの本部に挨拶に行くつもりをしていた。休職中なので、適当に挨拶してくればいいので、二時間もあれば事足りる。その間は、オーヴの大使館へニールを隠しておけば、変態も騒ぎはしない。
「なにやら盛り上がっててさ。オーヴの舞踊をやってくれるらしいよ? 娘さん。」
「はい? 」
「大使館勤めしてるのは、文化交流なんかで、そういう催しも披露するんで、踊ったり楽器を奏でたりできるのが多いんだ。ぜひ、鑑賞して欲しいってさ。」
「フォーマルな衣装とかで訪問ですか? 」
「いいや、普段着でいい。なんなら、オーヴの民族衣装でも着付けてもらうかい? そういう衣装も一通り用意してるんだ。」
「それ、着てみたいです、トダカさん。おねーさま、一緒に着せてもらいませんか? 」
「ああ、大丈夫だよ、ルナマリアさん。悟空くんとリジェネくんも一緒に着替えて撮影させてもらおう。」
「あーーーーっっ、それ、ずるいっっ。俺もやりたい。」
「俺は、ママの艶姿をぜひ、鑑賞したいです、トダカさん。」
「じゃあ、さっさと大使館まで来るんだね。」
 シンたちを待っているということにして、オーヴの大使館に足止めしておくことにした。それなら、いかな変態といえど侵入はできない。