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独占欲

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高校最後の文化祭。

今年はベタにお化け屋敷。

馬村は裏方に徹していた。

すずめは白い着物を着て、
ライトを顎の下から当てて
幽霊になるらしかった。

一応着物を着て髪を垂らし、
準備万端と思っていたが、

実行委員のカメが、

「うーん、すずめちゃん、
 迫力がイマイチなんだよね。」

と浮かない顔をしていた。

「え、そう?」

自分ではライトを当てれば
それなりに怖いと思っていたのだが。

「ツル!やっちゃいな!」

「ラジャ!」

そう言ってすずめは
ツルに連れていかれた。

「えっえっ何何。」

「いいから、いいから。」

しばらくして戻ってきたすずめは、
バッチリ化粧をされていた。

化粧をすると緊張して
すずめは真顔になってしまう。

「はい、ここでライトオン!」

ササッとツルが下からライトを当てると、
美しい幽霊が物寂しげに立っているように見えた。

「いーねー!」

カメはご満悦である。


裏方の仕事から戻ってきた馬村は、
またすずめが化粧をしているのを見て
ギョッとした。

でもそこですかさずカメが、

「馬村!阻止したら許さないからね!
 すずめちゃんの化粧も演出のうちだから!」

と馬村に言い放った。

修学旅行に引き続き、
すずめが化粧をすることで
男の注目を浴びているのが
馬村は、耐えがたかった。

が、カメに言われて一応抑える。

「勝手にすれば。」

そう言って不機嫌そうな顔でまた戻って行った。

「まったく。馬村はすずめちゃんが
 相当好きなんだねー。」

カメが言う言葉に、すずめは顔を火照らせた。

「あっ。顔の赤い幽霊とかダメだからね?」

無茶を言う。

さぁ、文化祭の始まりだ。

作品名:独占欲 作家名:りんりん