独占欲
ヒュ~~ドロドロドロ…
暗幕で真っ暗にした教室を、
ちょっとした迷路に仕立てあげ
各々がお客さんを驚かせる。
ギャー!キャァァ!
と概ね良好な反応が返ってきていた。
異様な音楽とともに
急にバン!とすずめ幽霊の真下から
ライトが当てられ、ヒャァァ!と
ビビった客が声をあげる。
こ、これは面白すぎる…
すずめはなかなかに気分がよかった。
「すずめちゃん、交替だよー。」
「うん、わかった。」
気分がノッてきたとこだったので
少し残念に思いながらも、
馬村と付き合いだして初めての文化祭で、
休憩を合わせて一緒に回ろうと
約束していた。
しかし、待ち合わせ場所に行く間に、
何人かの男に声をかけられる。
一般公開してるために
校外からの客のようだった。
「あれ?お化け屋敷の幽霊の子でしょ?
よかったら一緒に回らない?」
そうやって声をかけられるのは
生まれて初めての経験で、
どうかわしていいかわからない。
「えっ?は?私ですか?
いやいや、約束があるので…」
「そんなこと言わずにさぁ、
ちょっとだけだから、な?」
「いや、困ります!行かないと!」
「じゃあ用事終わったあと遊んでよ。」
手首を持たれてかなりしつこい。
「やめてください!」
と抵抗して焦っていると、
「ハイハイ、校内でのナンパは
お控えくださいねー。」