独占欲
しばらく顔を横に背けて頬を染めていたが、
また目をまっすぐ向けて、
「綺麗だから誰にも見せたくない。」
「そんなの見たら、誰かがオマエ
好きになるかもしれねえじゃん。」
「やっとこっち向いてくれたのに。」
は?/////
「なっなななななないよっ!///」
「あるよ。獅子尾も言ってたんだろ?綺麗だって。」
「……もっかい好きって言って。」
「最近オマエから聞いてないんだけど。」
なーーーーっ!!/////
すずめはいつもと違う馬村のセリフに
真っ赤になって鼻血が出そうだった。
「えっえっ…」
「…」
馬村が言葉を待ってる。
「…す…好き…ですよ?」
改めて言えと言われると緊張する。
「マジ?」
「あたりまえじゃん…」
「じゃあ、いっつも言ってくれよ。」
「えっ。馬村、そんなこと言うの?」
「なんだよ。おかしいかよ。
イチイチこっちから言わねえと
オマエが言わないからじゃん。」
「いや…おかしくないけど…
付き合ってからいろいろ
馬村の意外なとこ知れるなぁって…」
「オレがオマエを好きすぎて
オレも困ってんだよ。」
うわっ…////
すずめが馬村を見上げると、
目と目がバチッと合った。
ふと唇が合わさろうとした時、
「あれぇ?このへん店ないねぇ。
道間違ったかな?」
と、ドヤドヤちびっ子が来る声が聞こえた。
バッと二人はお互い顔を赤くしながら離れた。
「店まわるか。」
「う、うん。」
すずめは一緒にまわりながら、
ずっと馬村にドキドキしていた。
休憩が終わって幽霊に戻る時、
あまりの血色の良さに
カメにダメ出しをくらったのは
言うまでもない。