こらぼでほすと プラント7
野菜を洗ったり刻んだりなので、見学組のほうの相手はニールがする。お酒が入っている人たちなので、おつまみと酒を適当に用意して渡した。簡単な酢漬けちっくなものやチーズを切ったものを用意しただけだが、見学組は感心した。ちなみにルナマリアは料理は不得手なのでキッチンにはいるが、見学している。
「毎日、こうやって準備するわけですか? レイのママさん。」
「お弁当もするんで、前日に下ごしらえはします。たいがい、みんなが、こうやって手伝ってくれるんですよ。」
若者組は広いキッチンで、わらわらと動いている。全員、慣れたものだから、さくさくと作業は進む。なんせ悟空が食べるので、大きな鍋を準備した。
「あなたにお礼を申し上げたいと、ずっと思っていました。」
「はい? 」
「レイが料理をするなんて、私は考えたこともなかった。それも、あんな器用に。」
ゴボウのササガキをさくさくと削っているレイはシンたちと話しながら和やかに作業している。それを眺めて議長さんはニールに頭を下げた。
「いつも手伝ってくれてますから。お礼を言われるようなことじゃないでしょう? 俺が具合が悪い時は家事一切もやってくれてましたよ? 掃除洗濯料理なんでもござれで。」
「でも、その楽しさを教えたのは、レイのママさんだ。私は、そういうことには疎いので、レイが楽しそうなのは嬉しいんです。」
「いや、俺だけじゃなくてキラたちとつるんでるのがよかったんじゃないですか? あいつら、遊びとなると全力で全開です。ああいうのがレイも楽しいみたいだし。」
ニールが相手をしつつ、こちらもレンコンを薄くスライスした。これを水を張ったボールで、しばらくアク抜きする。そこで醤油がないことに気付いた。レンコンのキンピラは最後に醤油を回して味をつける。
「ギルさん、醤油ってありますか? 」
「醤油? スタッフに聞いてみましょう。」
「あと、日本酒。」
プラントの最高執政者すら走らされる。議長は、慌ててスタッフに内線で連絡だ。ちゃんと調味料としての醤油と日本酒はストックから出て来た。フライパンに薄切りの肉を少々、さくっと炒めてレンコンも投げ込む。レンコンに火が通ったら醤油を回しいれて完成する。これは冷えてもいいので皿に移しておく。味見しますか? と、小皿に見学組の分を用意した。寺では定番メニューだ。一口食べて、おお、っと見学組も美味しい顔をした。それから議長さんは立ち上がりニールの前にやってきた。両手を取上げて、「結婚してください。」と、いきなりのプロポーズが始まったんで、若者組が動きを止める。しかし、それより早くタリアが銀のトレイで議長さんの頭を横殴りだ。
「ほほほほ・・・ごめんなさいね? ニールくん。この人、考えナシにプロポーズするのが趣味なのよ。ギル、死にたくなかったらやめなさいね? これだけの人数を敵に回すつもり? ついでにキラくんが参戦するわよ? 」
議長さんが、いててて・・・と頭を擦って顔を上げたら、レイ、シン、悟空、リジェネ、ルナマリアが笑顔で近付いて来ていた。もちろん、背後に、てめぇ、死にたいらしいな? ああ? というオーラ全開の笑顔だ。
「ギル、俺のママは既婚者で、ご亭主とラブラブです。プロポーズなど失礼に当たりますよ? 」
「ギルさん、うちのねーさんの亭主、すげぇー強いんで、何かやらかすと報復されるからさ。」
「うちのおかんと結婚すると、もれなく三蔵もついてくるぜ? それでもいいんなら覚悟を決めてやれ。」
「ていうか、死ぬよね? ママを独占するのは不可能なんだから。ママ、大丈夫? 消毒する? 」
「すいません、おねーさま。直ちに報復しますから。自分でもやりますか? 武器は、なんにします? 」
容赦はないので、若者組が笑顔全開で脅しだ。いやいやいや、と、ニールが慌てて止める。
「酔ってるだけだって。本気で怒るなよ? ルナマリア、その包丁は置け。危ないから。」
「酔ってませんよ? この人。キラさんにもプロポーズしてアスランに半殺しにされました。」
「はあ? 」
以前、議長さんは大明神様にも同じようにプロポーズした。もちろん、キラはヘラヘラと笑っていただけだが、アスランが見事なライダーキックで仕留めたことがある。そういう人なので、全員が護衛しているのだ。
「まあ、大概は誰かに報復されて終わるのだけど。ギル、ニールくんはダメよ? ちゃんと説明したでしょ? 」
タリアはウヅミーズラブから、絶対にトダカを激怒させないように、と、お願いされていた。温厚なトダカがキレるとウヅミーズラブでも宥めるのが大変ならしい。
「本気だ、タリア。こんな家庭的な人と結婚すれば、私は愛に溢れた生活ができると思ったんだ。」
「だから、ニールくんは人妻で。ご亭主と幸せに生活しているんです。そんな人を強奪すると、とんでもないことになると思うのだけど? だいたい、ニールくんが、『うん。』とは言いません。」
ね? と、タリアに話を振られてニールも苦笑する。いきなりプロポーズされても冗談としか思えない。
「すいません、ギルさん。俺、ノンケなので同性との結婚は無理です。うちの亭主もノンケで、そういう心配がないから同居できているんです。・・・それに、俺はプラントには住めないですよ。みんなに叱られます。」
「いずれ、キラくんもラクス様もプラントに戻る心算はしているので、住むことは問題はないのですよ? レイのママさん。」
「そうなっても、亭主がプラントに引っ越すことはないと思うんで無理です。トダカさんも近所に住んでるのが理想だし。・・・だいたい、俺は元々の経歴が危険すぎるので、あなたの女房には向きません。」
「そういや、ラクスがプロポーズしてたよな? ママ。」
「断ったけどな。カガリもプロポーズしてたぞ? 」
「あーそれも言ってたっけ。」
「あれはプロポーズというより、おかんとして一緒に暮らしたいって希望ですよ、ママ。俺は反対ですが。」
「俺も反対。ねーさんは、とーさんと三蔵さんと暮らしてるのが一番だ。ハイネの駆け落ちプランも、絶対に阻止してやる。」
よくよく考えたら、かなりプロポーズはされている。他にもヒルダやら鷹さんやらが言い募っている。
「そんなわけで、俺は特区で亭主とのんびりしているのがいいです。さて、野菜は刻めたか? 」
「「「「おう。」」」」
では、さくっと大きな鍋に野菜を投げ込んだ。さらに、薄切り豚肉も投入する。出汁の素は明日、届くから、とりあえず野菜だけ煮ておくことにする。
「レイ、少し話したいことがあるんだが? いいかい? 」
「ええ、俺もギルに話しておきたいことがあります。」
「では、みなさんは、料理が終わったら自由にしていてください。」
一応、レイの保護者なので個人的に話すこともあるのだろう。レイのほうも用件があるから部屋を一緒に出る。まだ確定ではないので詳しい話はしないが、とりあえず延命措置が可能になったことだけは伝えておくことにした。
しばらくして、トダカが戻って来て、朝に大使館のほうから炊き立てのごはんとか朝のおかずは配達してくれることになった、と、説明してくれた。
「毎日、こうやって準備するわけですか? レイのママさん。」
「お弁当もするんで、前日に下ごしらえはします。たいがい、みんなが、こうやって手伝ってくれるんですよ。」
若者組は広いキッチンで、わらわらと動いている。全員、慣れたものだから、さくさくと作業は進む。なんせ悟空が食べるので、大きな鍋を準備した。
「あなたにお礼を申し上げたいと、ずっと思っていました。」
「はい? 」
「レイが料理をするなんて、私は考えたこともなかった。それも、あんな器用に。」
ゴボウのササガキをさくさくと削っているレイはシンたちと話しながら和やかに作業している。それを眺めて議長さんはニールに頭を下げた。
「いつも手伝ってくれてますから。お礼を言われるようなことじゃないでしょう? 俺が具合が悪い時は家事一切もやってくれてましたよ? 掃除洗濯料理なんでもござれで。」
「でも、その楽しさを教えたのは、レイのママさんだ。私は、そういうことには疎いので、レイが楽しそうなのは嬉しいんです。」
「いや、俺だけじゃなくてキラたちとつるんでるのがよかったんじゃないですか? あいつら、遊びとなると全力で全開です。ああいうのがレイも楽しいみたいだし。」
ニールが相手をしつつ、こちらもレンコンを薄くスライスした。これを水を張ったボールで、しばらくアク抜きする。そこで醤油がないことに気付いた。レンコンのキンピラは最後に醤油を回して味をつける。
「ギルさん、醤油ってありますか? 」
「醤油? スタッフに聞いてみましょう。」
「あと、日本酒。」
プラントの最高執政者すら走らされる。議長は、慌ててスタッフに内線で連絡だ。ちゃんと調味料としての醤油と日本酒はストックから出て来た。フライパンに薄切りの肉を少々、さくっと炒めてレンコンも投げ込む。レンコンに火が通ったら醤油を回しいれて完成する。これは冷えてもいいので皿に移しておく。味見しますか? と、小皿に見学組の分を用意した。寺では定番メニューだ。一口食べて、おお、っと見学組も美味しい顔をした。それから議長さんは立ち上がりニールの前にやってきた。両手を取上げて、「結婚してください。」と、いきなりのプロポーズが始まったんで、若者組が動きを止める。しかし、それより早くタリアが銀のトレイで議長さんの頭を横殴りだ。
「ほほほほ・・・ごめんなさいね? ニールくん。この人、考えナシにプロポーズするのが趣味なのよ。ギル、死にたくなかったらやめなさいね? これだけの人数を敵に回すつもり? ついでにキラくんが参戦するわよ? 」
議長さんが、いててて・・・と頭を擦って顔を上げたら、レイ、シン、悟空、リジェネ、ルナマリアが笑顔で近付いて来ていた。もちろん、背後に、てめぇ、死にたいらしいな? ああ? というオーラ全開の笑顔だ。
「ギル、俺のママは既婚者で、ご亭主とラブラブです。プロポーズなど失礼に当たりますよ? 」
「ギルさん、うちのねーさんの亭主、すげぇー強いんで、何かやらかすと報復されるからさ。」
「うちのおかんと結婚すると、もれなく三蔵もついてくるぜ? それでもいいんなら覚悟を決めてやれ。」
「ていうか、死ぬよね? ママを独占するのは不可能なんだから。ママ、大丈夫? 消毒する? 」
「すいません、おねーさま。直ちに報復しますから。自分でもやりますか? 武器は、なんにします? 」
容赦はないので、若者組が笑顔全開で脅しだ。いやいやいや、と、ニールが慌てて止める。
「酔ってるだけだって。本気で怒るなよ? ルナマリア、その包丁は置け。危ないから。」
「酔ってませんよ? この人。キラさんにもプロポーズしてアスランに半殺しにされました。」
「はあ? 」
以前、議長さんは大明神様にも同じようにプロポーズした。もちろん、キラはヘラヘラと笑っていただけだが、アスランが見事なライダーキックで仕留めたことがある。そういう人なので、全員が護衛しているのだ。
「まあ、大概は誰かに報復されて終わるのだけど。ギル、ニールくんはダメよ? ちゃんと説明したでしょ? 」
タリアはウヅミーズラブから、絶対にトダカを激怒させないように、と、お願いされていた。温厚なトダカがキレるとウヅミーズラブでも宥めるのが大変ならしい。
「本気だ、タリア。こんな家庭的な人と結婚すれば、私は愛に溢れた生活ができると思ったんだ。」
「だから、ニールくんは人妻で。ご亭主と幸せに生活しているんです。そんな人を強奪すると、とんでもないことになると思うのだけど? だいたい、ニールくんが、『うん。』とは言いません。」
ね? と、タリアに話を振られてニールも苦笑する。いきなりプロポーズされても冗談としか思えない。
「すいません、ギルさん。俺、ノンケなので同性との結婚は無理です。うちの亭主もノンケで、そういう心配がないから同居できているんです。・・・それに、俺はプラントには住めないですよ。みんなに叱られます。」
「いずれ、キラくんもラクス様もプラントに戻る心算はしているので、住むことは問題はないのですよ? レイのママさん。」
「そうなっても、亭主がプラントに引っ越すことはないと思うんで無理です。トダカさんも近所に住んでるのが理想だし。・・・だいたい、俺は元々の経歴が危険すぎるので、あなたの女房には向きません。」
「そういや、ラクスがプロポーズしてたよな? ママ。」
「断ったけどな。カガリもプロポーズしてたぞ? 」
「あーそれも言ってたっけ。」
「あれはプロポーズというより、おかんとして一緒に暮らしたいって希望ですよ、ママ。俺は反対ですが。」
「俺も反対。ねーさんは、とーさんと三蔵さんと暮らしてるのが一番だ。ハイネの駆け落ちプランも、絶対に阻止してやる。」
よくよく考えたら、かなりプロポーズはされている。他にもヒルダやら鷹さんやらが言い募っている。
「そんなわけで、俺は特区で亭主とのんびりしているのがいいです。さて、野菜は刻めたか? 」
「「「「おう。」」」」
では、さくっと大きな鍋に野菜を投げ込んだ。さらに、薄切り豚肉も投入する。出汁の素は明日、届くから、とりあえず野菜だけ煮ておくことにする。
「レイ、少し話したいことがあるんだが? いいかい? 」
「ええ、俺もギルに話しておきたいことがあります。」
「では、みなさんは、料理が終わったら自由にしていてください。」
一応、レイの保護者なので個人的に話すこともあるのだろう。レイのほうも用件があるから部屋を一緒に出る。まだ確定ではないので詳しい話はしないが、とりあえず延命措置が可能になったことだけは伝えておくことにした。
しばらくして、トダカが戻って来て、朝に大使館のほうから炊き立てのごはんとか朝のおかずは配達してくれることになった、と、説明してくれた。
作品名:こらぼでほすと プラント7 作家名:篠義