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誕生日おめでとう小説
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りーなとレスポール

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 白んでいく東の空が、カッコよくロックなキメポーズの李衣菜を照らしていた。

 愛してるぜ、りーな。


 ▼△▼△▼


 清々しい朝の空気の中、セーラー服の多田 李衣菜が歩いている。
 ミルクの紅茶のペットボトルの蓋を閉めてカバンにしまった。
「あー、頭痛い」
 直している石垣を横目に、短い横断歩道を普通に渡った。
(なんだよ集団催眠って。みくもいつの間にか帰ってきてるし、もう、わけわかんないよ)
 いじくる指先は硬く、爪で跡をつけると中々元に戻らなかった。
(だりーなぁ……多田 李衣菜だけに。……なんか今の楓さんっぽい。ロックだね!)
 疲労感と眠気で謎のテンションになっている李衣菜はニヤニヤした。
 ふと楽器店のショーケースが目に入った。その中の赤いギターと李衣菜の澄んだ目が逢う。
「Fがなぁ」
 李衣菜は立ち止まって覗きこむ。
「へえ、レスポールって言うんだぁ……」
 ハッとする。
 右手を開くと10円玉を握りしめていた。無意識のうちにスカートのポケットから探し当てていたのだ。
 李衣菜は不思議に思いながらもそれをまじまじと見る。
 ギザ十だ。表面に傷がついて、縁のギザギザが少しすり減っていた。
 覗き込んでいる手のひらの10円玉に水滴が落ちた。空を見上げると、抜けるような青空だった。
 10円玉を強く握りしめ、李衣菜はレスポールに向き直った。
「なんか、ロックっぽい響きじゃん!」
 多田 李衣菜のロックは止まらない。


 この小説をアイドルマスターシンデレラガールズ、多田 李衣菜に捧ぐ。