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こらぼでほすと プラント9

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 タリアが裏の非常口から出て、手配していたクルマに案内してくれた。行き先は、となりの軍港らしい。クルマに乗り込む前に、リシェネにはついて来てくれ、とだけ頼んだ。リジェネも、こくんと頷いた。
「ギルさんですか? 」
「ええ、どうしても、あなたとだけ話したいことがあって。」
「予定ありましたよね? 」
「あるけど、重要ではないからスルーしてもいいみたいよ。・・・・ほんと、面倒な男で、ごめんなさいね、ニールくん。」
「いえ、レイのことを心配してるんでしょ? 俺はロクでもない人間だから預けるには、言いたいこともあるだろうし・・・」
「あーそういうことではないの。それを言うなら、レイの人生を滅茶苦茶にしたのはギルのほうだと思うわよ。キラくんを殺すためなら、おまえも死ねって言い放ってたんだから。」
「うわぁー壮絶だなあ。」
「おほほほほ・・・・人間なんて歪んだら、どこまでも歪んでいくものなのよ。あなた、そういう意味では歪んでないと思うわ。元テロリストということは、どこかは歪んでいるのだろうけど? 」
「歪んでますねぇ。・・・いろいろと。」
「私も、いろいろと歪んではいるのよ。人間なんて、そんなものだわ。だから、過去の経緯は気にしないことね。私だけでなく、キラくんたちも歪んでると言えば歪んでるんだし。誰も清廉潔白な状態では生きていられないと思うから。・・・・私は子供が欲しくて、ギルとは別れたからね。愛よりも子供が欲しいほうが勝った。それも歪みだと思います。」
「へ?  もしかして、タリアさん、ギルさんの元カノですか? 」
「そうなの。いい人なんだけど、遺伝子的には適合しなかったのよ。二人だけで、と、ギルは言ったけど、私は子供が欲しかった。」
「今は? 」
「ちゃんと亭主と子供がいます。ギルとは友人関係。」
「それ、俺が聞いたらマズイんじゃ・・・・」
「ああ、大丈夫。マリューは、よく知ってるし、たぶんキラくんたちは知ってるから。シンたちは知らないので、よろしく。」
「はい、承りました。・・・俺も、なんか暴露しましょうか? 」
「恋バナ的なものがあるの? 」
「え、うーん、そういうのはないなあ。やることはやってましたが、まあ、一夜限りでしたし・・・余計な荷物を持つ余裕がなくて・・・」
「今は、ご亭主がいるじゃないの。」
「でも、どっちもノンケで欲情できないんで・・・そこいらは清らかな関係ですよ? 俺はやってくれても構わないって言うんですが、亭主が拒否ってます。それに、うちの亭主、一応、聖職者なので戒律的にもアウトらしいですよ。」
 いや、一概にそうとは言えないが、タリアは知らないだろうから、スルーしておく。亭主の上司が同性で夫夫だが、戒律云々はスルーしているらしいからだ。
「あら、それは残念? 」
「いや、気楽でいいです。言動はアレなんですが優しい人で、俺の相手をしてくれてます。」
「まあ、惚気られたわ。おほほほほ。」
「惚気てません。愛してるなんて告白したら、俺、確実に殺されます。」
「ニールくんは愛してるわけね。」
「亭主としては、俺には申し分のない相手だとは思いますが、愛してるとは思えませんねぇ。」
「ほら、惚気てる。妬けるわねぇ。マリューも言ってたけど、ほんと、ニールくんは可愛いわ。」
「マリューさんも、いい人です。人妻じゃなきゃお願いしたいとこなんですけどねぇ。俺の理想の女性のストライクゾーンど真ん中ではあるんですが、鷹さんの奥さんですから。」
「じゃあ、私がお相手しましょうか? 」
「いやいや、ご勘弁を。てか、タリアさんもからかうって、ひどいなあ。うちの女性陣、みんな、やるんだから。」
「そりゃ、これだけ可愛くて綺麗な男の子ならからかい甲斐があるもの。マリューも、誘っても落ちないって愚痴ってたわよ? たまには遊べばいいじゃないの。」
「鷹さんが、側でいるのに? 」
「あー参戦するかもね。」
「いやですよっっ。俺、嗜好はノーマルなんでっっ。」
 賑やかに言い合いをしていたら、クルマは静かに停止する。さて、と、タリアがドアを開ける。

 クルマは軍港内に入り、かなり大きな戦艦の前に着いた。ここならプライベートは保持できるので、と、タリアは説明しつつ非常口から案内してくれた。リジェネは一言も発していないが、ニールの腕にくっついたままだ。何かしらあったら、即座にトダカたちに連絡できるし、ルナマリアから借りている武器も隠し持っている。一応、トダカにだけメールで、ここにいる、とは送っておいたので、ほどなく現れるはずだ。この戦艦は新鋭艦ではないが、トダカがいる場所と、それほど離れていないのは把握できている。リジェネは、すでにヴェーダで、全員の位置を把握しているし、現在のザフトの動きもチェックしている。
 通路では、誰とも会わなかった。奥まった場所にある部屋に案内されたが、そこには人が居ない。ちょっと待ってて、と、さらに奥にある扉にタリアは消えた。
「リジェネ、さっきの会話は誰にも言うんじゃないぞ。」
「うん、というか、その情報は、キラも把握してるから言っても意味ないよ? 」
「シンたちは知らないみたいだから。あと、なんかあったらエマジェンシー飛ばしてくれ。」
「了解。・・・・どうして解ったの? ママ。あの人は何も言わなかったのに。」
 リジェネには、そこが不思議だった。タリアが何かを言う前に、先にママが外へ出ると言ったからだ。
「まあ、職業柄、人の動きには敏感にできてるんでな。今日は、朝からタリアさんの様子が違ったから、そうだろうと予想してたんだ。」
「僕、わかんなかった。」
「これは経験によるものだから、おまえさんには、まだ無理だよ。」
 そう言っていたら、タリアが戻って来て、まずリジェネと話を、と言う。それもリジェネ単独で、言われて、はい? とニールが聞き返した。
「リジェネですか? 」
「ええ、リジェネくんとは初対面だったので、少し話してみたいんですって。ニールくんは私と、お茶でもしていましょう。すぐに済むわ。・・・・リジェネくん、ギルがおかしなことを言ったりやったりしたら、容赦なくスタンガンで倒していいから。」
「わかった。じゃあ、ちょっと行って来る。」
 話ということは、レイが、この後のことを口にしたか何かの反応なのだろうとリジェネも納得して奥の扉へ入った。