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独占欲 その2

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休憩が終わって、
すずめが再び幽霊に徹して悦に浸っていたころ、
お化け屋敷の入口受付では
トラブルが発生していた。

ドラキュラ役の猿丸が腹痛に見舞われたのだ。

「くっ…ヤベェ、超痛ぇ…」

真っ青な顔をして保健室に行ってしまい、
受付がいなくなったお化け屋敷では、
ちょっとした混乱が生じていた。

カメは裏方で音楽を鳴らしていた馬村に、
受付に来るよう頼んだ。

「なんでオレなんだよ。他のヤツに頼めよ。」

表が苦手な馬村は、速攻断ったが、

「みんな休憩行っちゃって
 人手が足りないんだよ!
 お願い!あっ、後夜祭で
 片付けしないですずめちゃんと
 参加してきていいから!ね?」

そう言われて馬村の動きがピタッと止まる。

裏方は片付けも担当なので
後夜祭では、幽霊役のすずめとは
別行動になるはずだった。

「…嘘じゃねえだろうな?」

後夜祭のダンスはどうでもいいが、
すずめと一緒に行動できる、と聞いて
ついOKを出してしまったのが運のつき。

「オイ!何すんだよ!
 ただの受付じゃねえのかよ?」

「何言ってんの?
 受付はドラキュラって
 決まってんの!
 私の演出にケチつける気?!」

馬村は、猿丸から返ってきた
ドラキュラの衣装を着せられ、
簡単にヘアメイクを施されてしまった。

元々無愛想な上に、メイクまでされて
イラついていた馬村は、
まさしく怖いドラキュラ伯爵。

一部の女子からは感嘆の声があがった。

「よし、これで呼び込むよ!」

カメのお墨付きをもらったが
馬村はまったく嬉しくなかった。

作品名:独占欲 その2 作家名:りんりん