こらぼでほすと プラント10
バレてましたか? と、ニールが微笑むと、あちらも優雅に微笑んだ。軍艦ともなると搭乗すればセキュリティーが自動的に確認される。何も言わないのは、タリアが許可しているからだ。
「そりゃ必要なものよ? あなたを押し倒されたら国際問題だわ。」
「あの、タリアさん。ギルさん、バイですか? 」
「ええ、どっちもオッケーなの。ああ、リジェネくんは大丈夫。」
聞きたくないわーとニールの頬が引き攣る。キラは中性的だしアスランと夫夫だから、まあ、そういう趣味の人には萌える相手なのは納得できる。だが、ニールは身長190オーバーの三十路男だ。どう考えても攻略対象キャラじゃないと思うのだが、議長様が熱烈に愛を語るので、ニールも退いている。
「ニールくん、自分ではわからないだろうけど、かなり色気があるから気をつけなさいね? バイやゲイなら確実に惚れられるんじゃないかしら。」
「はい? 今まで、そんなこと・・・」
「一夜限りの相手は調達できたんでしょ? それは、そういうことだと思うんだけど? 」
「でも、女性ですよ。」
「だから、どっちもなの。ハイネがプロポーズしてるって聞いてるけど? 」
「あれは同居のお誘いです。」
「ラクス様とカガリ様は? 」
「あれも同居のお誘いの類ですね。俺、あいつらには欲情しませんし、一緒に寝てますから。」
「それも聞いてる。あれだけの美女なのに・・・一緒に何もせず寝ていられるのが、私は不思議よ。」
「いや、タリアさんだってシンやレイと一緒に寝て欲情します? 無理でしょ? 」
ちょうど、年齢的には同じようなものだ。亭主と子供がいて、わざわざ、シンたちのような若いのを相手にしたいとは思わないだろう。それには、タリアも苦笑しつつ頷いた。相手は子供という感覚だから、そんな気分にはならない。ニールの場合と同様だ。
「男は論外だものね。」
「できれば勘弁して欲しいです。亭主がやりたいと言ったら付き合いますが、泥酔させておいて欲しいかな。」
「それは、マグロよりひどいわね。というか、それは付き合うというより身体を貸すだけでセックスとは言わないような気がする。」
「そうなりますねぇ。だから、ギルさんがやりたいなら、そうしてもらえばできるとは思うんですが・・・シンたちが断固拒否らしいので諦めて欲しいとは思います。短時間で、なんとかなるなら身体は貸しますが・・・」
別にニールは貸してくれ、というなら、どうぞ、ではあるのだが、周囲がものすごく拒否しているので見つからないなら付き合えるという意味のことは言った。すると、タリアのほうも首を横に振る。
「それはレイや私が止めたから大丈夫。あなたと話したいことは別物です。・・・・レイを特区に下ろしてから、レイは人間らしくなったから、そこいらのことを話したいだけなの。・・・・一応、プラントでは私が母親みたいなものだったけど、過去のレイに関してだけだし、私は、ギルとの関係があって温かなものまでは与えていない。今のレイは、あなたが育てて温かなものに包まれているから感謝はしたいと思ったのよ。レイが、どれほど、あなたとの関係を大切にしているのか見ていればわかります。ありがとう、ニールくん。レイには何よりのことだわ。あなたと暮らしたいと言ったことだけでも、賞賛に値する言葉だった。」
「何もしてませんよ? 一緒に、ただ暮らしているだけで、俺は、この通り、グダグダの身体で迷惑もかけてますし。レイに泣かれたり叱られたり、ほんと、俺のほうが世話をかけてる。」
「だから、それがすごいことなの。あの子が、そんなことに心を動かされるようになったのが、そもそもすごいの。」
「は? 」
「こっちに居たレイは、ほぼ感情をコントロールして泣いたり怒ったりもしなかったんです。・・・・それだけの感情を、ニールくんにはぶつけてるの。はい、そうですか、で、素通りしないで、ちゃんとニールくんの心配をしているから感情が出てるってこと。ギルのために働くことしかなかったレイが、家事を覚えて、あなたの世話をしてるっていうのは、あの子が、自分でそうしたいって考えたからだから。あなたを大切に思うから、そういうことができるようになったのよ。それはすごいことです。」
「はあ。・・・・そうなんですか? うちでは、普通にしてますが・・・」
「普通にできたのは、キラくんたちからのアプローチもあってのことだけど、あなたがいてくれたからだわ。そのままでいいの。どうぞ、これからも、そのままレイを育ててやってね? 」
「・・・はい・・・」
元々のレイの姿をニールは知らない。どれほど機械的な人間だったかを知らないから、タリアの言葉が飲み込めないが、まあ、今まで通りにしてくれ、というお願いだとは頷いた。これといって難しいことはない。一緒に食事したり買い物したり、たまにニールが看病されたりという日常でいいなら、今までと変わらない。
奥の部屋に入ったリジェネは執務机に座っていた議長の前に立った。どこまでレイが話したのか知らないので、用件は何? と、即質問する。
「きみがレイの延命の水先案内人だと聞いたので、まず、お礼を申しあげたいと思ったことと、その延命方法について、いくつかの質問をしたいのだが、いかがだろう? 」
「質問は却下。お礼は、きみから言われる必要はないね、ギルバート・デュランダル。僕が、それをレイに勧めたのは、僕のママが悲しまないためであってレイのためではないからだ。」
詳しいことは話していないらしい。それなら、ばっさりと斬り捨てる。こちらで考察することも無理な方法だ。説明するのも意味が無い。他には? と、追い討ちをかけたら、苦笑された。
「どうやら、私は印象が悪いらしい。」
「僕のママに余計なことをするから印象は最悪だね。・・・このあと、きみが僕のママに何を言うつもりなのかわからないから、どうしょうかと考えている。」
「それはレイの身体のことかい? 」
「それも含めて今後のスケジュールについてもだよ。僕とレイが一緒に行動することもママには内緒なんだ。失言は許さない。」
「だが、会話を止めることは不可能では? 」
この部屋で二人きりで話すとなれば、リジェネには阻止できないだろうと揶揄したつもりだが、ふっとリシェネは笑った。
「そう思うなら、やってごらん。阻止は簡単だ。方法は教えないけど? あとでキラにも告げ口して本格的に報復させる。」
議長は知らないが、リジェネはヴェーダだ。今、この周辺のセキュリティー関連のシステムは抑えている。何かしら、ニールに対して失言するようならスプリンクラーでも音響障害でも即座に発生して阻止できる。トダカからも殺さなければ好きに暴れていい、と、お墨付きももらっているから、準備万端だ。
「わかった。では、きみには何も言うことはない。きみの大切なママを呼んでくれるかね? もちろん二人だけで話したいので、きみも外で待ってもらいたい。」
「いいよ。さっきの忠告を受け入れるなら、僕も何もしないから。」
室内の会話は警備システムに拾わせているから離れたところで問題はない。一体、何がしたいのかリジェネには見当もつかないが、まあ、会話ぐらいは許さなくては、と、部屋を出た。
「そりゃ必要なものよ? あなたを押し倒されたら国際問題だわ。」
「あの、タリアさん。ギルさん、バイですか? 」
「ええ、どっちもオッケーなの。ああ、リジェネくんは大丈夫。」
聞きたくないわーとニールの頬が引き攣る。キラは中性的だしアスランと夫夫だから、まあ、そういう趣味の人には萌える相手なのは納得できる。だが、ニールは身長190オーバーの三十路男だ。どう考えても攻略対象キャラじゃないと思うのだが、議長様が熱烈に愛を語るので、ニールも退いている。
「ニールくん、自分ではわからないだろうけど、かなり色気があるから気をつけなさいね? バイやゲイなら確実に惚れられるんじゃないかしら。」
「はい? 今まで、そんなこと・・・」
「一夜限りの相手は調達できたんでしょ? それは、そういうことだと思うんだけど? 」
「でも、女性ですよ。」
「だから、どっちもなの。ハイネがプロポーズしてるって聞いてるけど? 」
「あれは同居のお誘いです。」
「ラクス様とカガリ様は? 」
「あれも同居のお誘いの類ですね。俺、あいつらには欲情しませんし、一緒に寝てますから。」
「それも聞いてる。あれだけの美女なのに・・・一緒に何もせず寝ていられるのが、私は不思議よ。」
「いや、タリアさんだってシンやレイと一緒に寝て欲情します? 無理でしょ? 」
ちょうど、年齢的には同じようなものだ。亭主と子供がいて、わざわざ、シンたちのような若いのを相手にしたいとは思わないだろう。それには、タリアも苦笑しつつ頷いた。相手は子供という感覚だから、そんな気分にはならない。ニールの場合と同様だ。
「男は論外だものね。」
「できれば勘弁して欲しいです。亭主がやりたいと言ったら付き合いますが、泥酔させておいて欲しいかな。」
「それは、マグロよりひどいわね。というか、それは付き合うというより身体を貸すだけでセックスとは言わないような気がする。」
「そうなりますねぇ。だから、ギルさんがやりたいなら、そうしてもらえばできるとは思うんですが・・・シンたちが断固拒否らしいので諦めて欲しいとは思います。短時間で、なんとかなるなら身体は貸しますが・・・」
別にニールは貸してくれ、というなら、どうぞ、ではあるのだが、周囲がものすごく拒否しているので見つからないなら付き合えるという意味のことは言った。すると、タリアのほうも首を横に振る。
「それはレイや私が止めたから大丈夫。あなたと話したいことは別物です。・・・・レイを特区に下ろしてから、レイは人間らしくなったから、そこいらのことを話したいだけなの。・・・・一応、プラントでは私が母親みたいなものだったけど、過去のレイに関してだけだし、私は、ギルとの関係があって温かなものまでは与えていない。今のレイは、あなたが育てて温かなものに包まれているから感謝はしたいと思ったのよ。レイが、どれほど、あなたとの関係を大切にしているのか見ていればわかります。ありがとう、ニールくん。レイには何よりのことだわ。あなたと暮らしたいと言ったことだけでも、賞賛に値する言葉だった。」
「何もしてませんよ? 一緒に、ただ暮らしているだけで、俺は、この通り、グダグダの身体で迷惑もかけてますし。レイに泣かれたり叱られたり、ほんと、俺のほうが世話をかけてる。」
「だから、それがすごいことなの。あの子が、そんなことに心を動かされるようになったのが、そもそもすごいの。」
「は? 」
「こっちに居たレイは、ほぼ感情をコントロールして泣いたり怒ったりもしなかったんです。・・・・それだけの感情を、ニールくんにはぶつけてるの。はい、そうですか、で、素通りしないで、ちゃんとニールくんの心配をしているから感情が出てるってこと。ギルのために働くことしかなかったレイが、家事を覚えて、あなたの世話をしてるっていうのは、あの子が、自分でそうしたいって考えたからだから。あなたを大切に思うから、そういうことができるようになったのよ。それはすごいことです。」
「はあ。・・・・そうなんですか? うちでは、普通にしてますが・・・」
「普通にできたのは、キラくんたちからのアプローチもあってのことだけど、あなたがいてくれたからだわ。そのままでいいの。どうぞ、これからも、そのままレイを育ててやってね? 」
「・・・はい・・・」
元々のレイの姿をニールは知らない。どれほど機械的な人間だったかを知らないから、タリアの言葉が飲み込めないが、まあ、今まで通りにしてくれ、というお願いだとは頷いた。これといって難しいことはない。一緒に食事したり買い物したり、たまにニールが看病されたりという日常でいいなら、今までと変わらない。
奥の部屋に入ったリジェネは執務机に座っていた議長の前に立った。どこまでレイが話したのか知らないので、用件は何? と、即質問する。
「きみがレイの延命の水先案内人だと聞いたので、まず、お礼を申しあげたいと思ったことと、その延命方法について、いくつかの質問をしたいのだが、いかがだろう? 」
「質問は却下。お礼は、きみから言われる必要はないね、ギルバート・デュランダル。僕が、それをレイに勧めたのは、僕のママが悲しまないためであってレイのためではないからだ。」
詳しいことは話していないらしい。それなら、ばっさりと斬り捨てる。こちらで考察することも無理な方法だ。説明するのも意味が無い。他には? と、追い討ちをかけたら、苦笑された。
「どうやら、私は印象が悪いらしい。」
「僕のママに余計なことをするから印象は最悪だね。・・・このあと、きみが僕のママに何を言うつもりなのかわからないから、どうしょうかと考えている。」
「それはレイの身体のことかい? 」
「それも含めて今後のスケジュールについてもだよ。僕とレイが一緒に行動することもママには内緒なんだ。失言は許さない。」
「だが、会話を止めることは不可能では? 」
この部屋で二人きりで話すとなれば、リジェネには阻止できないだろうと揶揄したつもりだが、ふっとリシェネは笑った。
「そう思うなら、やってごらん。阻止は簡単だ。方法は教えないけど? あとでキラにも告げ口して本格的に報復させる。」
議長は知らないが、リジェネはヴェーダだ。今、この周辺のセキュリティー関連のシステムは抑えている。何かしら、ニールに対して失言するようならスプリンクラーでも音響障害でも即座に発生して阻止できる。トダカからも殺さなければ好きに暴れていい、と、お墨付きももらっているから、準備万端だ。
「わかった。では、きみには何も言うことはない。きみの大切なママを呼んでくれるかね? もちろん二人だけで話したいので、きみも外で待ってもらいたい。」
「いいよ。さっきの忠告を受け入れるなら、僕も何もしないから。」
室内の会話は警備システムに拾わせているから離れたところで問題はない。一体、何がしたいのかリジェネには見当もつかないが、まあ、会話ぐらいは許さなくては、と、部屋を出た。
作品名:こらぼでほすと プラント10 作家名:篠義