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こらぼでほすと プラント10

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 五分もしないうちにリジェネは戻って来た。腰の背後に隠していたスタンガンを取り出してニールの腰に隠す。
「用心のために持って行って。」
「はいはい。」
「大声で叫んでくれたら僕が飛び込むから。」
「まあ、そうはならないと思うけど。」
「10分待って戻らなかったら、飛び込む。トダカさんにも連絡する。」
 ものすごく心配そうな顔でリジェネが叫ぶので、ニールは、その頭を撫でる。そうやって心配してくれるから、自分が生きてる価値を図れるのだ。
「まあまあ、話すだけだから待っててくれ。10分じゃなくて20分くらいしたら飛び込んでもいいよ? それぐらいしたらシンたちも気付くだろう。」
「でも、ママっっ。」
「一応、武器はあるし、ここにはタリアさんがいる。大声上げれば届くだろうさ。そうですよね? 」
「ええ、物音が激しければ、即座に飛び込むから安心してちょうだい。」
 それからリジェネを抱き込んで、議長の部屋の盗聴を完全に阻止しろ、と、リジェネに命じた。どんな話であろうと、厄介なことに変わりはない。外部に漏れることだけは阻止したほうが安全だ。どうせ、リジェネは、ここいらのシステムは乗っ取っているはずだから頼むことにした。
「わかってる。気をつけて、ママ。・・・あとでココア飲みたい。」
「はいはい、終わったら、みんなに飲み物を買いに行こう。」
 では、行って来ます、と、ニールが扉に入ると、すぐ近くまで議長はやってきていた。なかなか入ってこないから気になったらしい。


「このような形で申し訳ない。どうぞ、お座りください、レイのママさん。」
 応接室に案内して、どちらも座るのかと思ったら、ソファに座ったニールの横に議長様は膝をついた。そして、ニールの左手を取る。ゆっくりと顔を上げて議長様は微笑む。
「あなたと二人だけで話したいと思っていたのですが、私邸ではできませんでした。それで、こういう形で、お呼びすることになったのです。」
 普通の女性ならイチコロのたらし台詞だが、生憎とニールには効かない。なんせ、普段から綺麗な男たちに散々に愛を囁かれ、スキンシップされているので慣れている。上手いなあ、というのが内心の感想だ。
「えーっと、どういった話でしょうか? 実は、俺、リジェネと長く離れているとトダカさんが大使館の武官を連れて乗り込んでくる手筈になっています。もし、肉体を貸してくれ、ということでしたら、時間稼ぎを考えてください。」
「愛してくださるのですか? 私を。」
「いえ、貸すだけですから、あとはお任せします。冷凍マグロだと思っていただければ、なんとか・・・レイのことも不満がおありでしょうから、それについてなら、いくらでも叱責はお受けします。ただ、レイがやりたいようにするのが一番だと俺は思っていますので、無理にプラントに帰るように仕向けるのは俺にはできません。その点は、二人で話し合ってください。」
 ダイレクトに言いたいことを言うと、ぽかんと議長様は口を開けた。それから、ぷっと吹き出した。
「いえ、ええ・・・・ええ、私も愛のないセックスには興味がありません。あなたが私を愛してくださるのでなければ、無理強いはしませんよ? レイのママさん。・・・それから、レイからも、あなたと特区で暮らしたいと言われました。レイの思うようにさせたいのは私も同じことです。どうぞ、レイのことをママとして愛してやってください。あの子には、それが大切なことだと私も思っています。・・・・ですが、とてもダイレクトですね? レイのママさん。そんなあからさまに言われたのは初めてで驚きました。」
「ああ、すいません。身体ぐらいはいいんですが、うちのが五月蝿いので・・・時間が・・・」
「それはいけませんね。あなたの身体は、子供たちのものだ。下手に使って壊れたら、子供たちが悲しみますよ? それに、あなたのパパも、大層にお怒りになるでしょう。」
 手を取ったままで、議長様はニールの横に座り込んだ。そして、手の甲に口付ける。
「そうですね。じゃあ、そちらは拒否させていただきます。・・・ギルさん、お話は、それではありませんよね? 」
「はい、レイのことをお願いしたいと思っていたことと、もうひとつあります。」
 これが本題だろう。ニールのほうも拝聴するつもりで、そちらに顔を向ける。
「それほど緊張されることではありません。ただ、これからもレイのそばにいて欲しいとお願いしたかったのと、プラントにはレイのパパがいることを覚えておいて欲しいのです。」
「ギルさんのところに、たまに返せということですか? 」
「いえ、何かあったら、私のことも思い出してください。これでも、プラントの最高評議会議長ですから、融通がつけられることもあるでしょうし、何かの折の手助けもできると思います。レイにはママさんだけでなく私もいるのだと覚えておいて欲しいのです。レイのためには、あなたと結婚して一緒に暮らすほうがいいのではないかと考えていたのですが、レイから拒否されました。プラントでは遠過ぎて、各方面から攻撃されると申します。たぶん、それは事実でしょう。ラクス様もカガリ様も、あなたを頼りにされているらしいので独占はできないとのことで。」
「ええ、俺は日常担当なんだそうで、近くにいて欲しいそうです。・・・レイも、最初は遠慮してましたが、悟空が家族なんだから気を使うな、と、宣言して今のようになりました。厳しいですよ? レイは。俺が昼寝しないと叱るし食べないと食わされるし・・・・死んではいけないんだそうです。」
「そりゃそうでしょう。あなたがいなくては、レイは甘えるところがありません。体調の問題も落ち着いたのですから、健康に生活していたたかなくては私も困ります。私はレイが、あんなに積極的に人の世話をするのは驚きでした。あなたを生かしておくのに必死らしい。」
 私邸での様子を思い出して議長様は微笑む。なんだかんだと言ってレイはニールの世話を焼く。そして、それを嬉しそうにニールが受けると、さらに嬉しそうなのだ。微笑ましい親子さんというに、ぴったりの光景だった。
「ええ、気をつけるというか気をつけてくれてます。去年までは、かなり危なかったので・・・レイも必死だったと思います。これから体力をつけるのに手助けしてくれるそうです。」
「体力ですか。これは時間がかかりますね。」
「そうですね。まだ重力下での動きが精一杯で、無重力ではガタガタです。・・・・ギルさんも会議なんかで特区には降りて来られることがあるんですよね? 」
「はい、年に一度か二度程度ですが。」
「もし、時間ができたら、うちに寄ってください。レイと二人で歓迎します。レイは、他にも料理ができるので、ぜひ。」
「おお、それは嬉しいです。あなたの旦那様にも、ご挨拶したいと思っていました。予定が入ったら、ぜひ、お伺いさせていただきましょう。それに、また、あなたが遊びに来てくださっても嬉しいですが、いかがですか? 」
「うーん、それは不明です。俺一人では無理だし、誰かがついてくると思うので。それはレイに頼んでみてください。」
「単独は無理ですか。」