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オダワラアキ
オダワラアキ
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恋のから騒ぎ

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ひるなかの流星【恋のから騒ぎ】
大輝×すずめ 19歳。
最近馬村の扱いがただの変態S男子になっていたので、モテモテ馬村くん&ラブラブすずめちゃんを書きたかったんです。




大輝と待ち合わせしているいつものカフェに、珍しく時間通りに着くと、目当ての長身の男は数人の女の子に囲まれていた。
すずめは、それほど珍しくない光景に、ポケットから携帯を取り出すと、電話をかけた。

「おまえ…今どこ…?」
ウンザリしたような低い声に、フッとすずめは笑いが込み上げる。
「ほとんど目の前。囲まれてるから見えないかもだけど?」
「今行く」
携帯を通話状態にしながら、女の子たちを素通りし、すずめを見つけると通話をオフにした。

「おまえな…見てたんなら声掛けろよ…」
すずめの隣を歩きながら、疲れたように肩を落とす大輝は、身長180近くの長身で足は長く、ワイルドさはあまりないが、男らしい綺麗な顔付きをしている。

「ああいう場合は、声掛けると逆効果かな〜と思ってさ」
「ふーん」
納得いかないような顔ですずめを見て言った。
「おまえって…ヤキモチとか妬かねえの?」
すずめは笑ってその質問をかわすと、行こうと大輝の手を取った。


高校を卒業してから1年あまり、いつの間にか、男の子から大人の男性へと変わってきたその姿に見惚れることも度々あるし、すずめもたまにはヤキモチを妬くことはある。
ナンパされてる程度では嫉妬することはないが。



ウィンドウショッピングをしながら、街を歩いていると、反対側からよく知った顔の友人が歩いてくるのが見える。

「あ〜ツルちゃん!…と、犬飼くん!」
「すずめちゃんだ〜!偶然!ってか、この辺で遊ぶとこなんてここしかないもんね〜そりゃ会うこともあるか!」
「田舎者の私から見れば、この辺でもめちゃくちゃ都会だけどね…」
彼女とのデート中に会うというのは、男にとっては出来れば避けたいところだが、女にとってはどうやら嬉しいものらしい。

大輝と犬飼が口を挟む隙もなく、4人でランチをすることになった。
入った店は、ハワイに本店があるパンケーキが人気の店で、日本では初出店らしくまだランチには早い時間なのに非常に混み合っていた。
それでも、15分程度で席に案内される。
メニューを見て、男たちは唖然とする。
パンケーキより高く、ソフトクリームのように乗っている生クリーム。
その高さは20センチにもなりそうだ。
バナナとチョコソースがたっぷりのかかったパンケーキの上に、同じように生クリームが乗っているものもある。
その割には、ロコモコ丼やエッグベネディクトは大きい皿の割には量が少ない。
それでもなるべくお腹に溜まりそうなオムライスを注文した。

女たちは、モーニングプレートに先ほどのパンケーキを食べるらしい。

注文を済ませ飲み物が運ばれてくると、鶴谷が口火を切った。

「ねぇねぇ、すずめちゃん。馬村から中学の集まりの話聞いた?」
鶴谷が、ふふっと笑いながらチラリと馬村を見る。
「へっ?なに?聞いてないよ?」
大輝が、犬飼をジロリと睨む。
犬飼は手を合わせてごめんというポーズを取るが、本当には悪いと思っていないようだった。
大輝としても、すずめにばれたとしても何ら困ることはないが、犬飼の彼女伝で自分の目の前で言われるのは気恥ずかしい。
「馬村ね〜、同級生から告られたんだって。もちろんちゃんと、彼女がいるって断ったみたいだけど」
「うん…」
特に珍しい話でもなく、すずめは鶴谷が何が言いたいのか分からずに適当に相槌を打つ。
「そしたらね、猿丸が携帯に入ってたすずめちゃんの写真をみんなに見せたらしいのよ」
「ええっ!?やだ、恥ずかしいんだけど…」
何の写真見せたんだろうと、グルグル考えていると、嬉しそうに鶴谷が続けた。
「馬村ね、なんでおまえがすずめの写メ持ってんだよ!ってみんなの前でキレたらしいよ〜」
鶴谷の一言に飲んでいたジュースを吹き出しそうになる。

女はどうして人の恋愛話が好きなのだろうかと、大輝は深くため息をついた。
人の彼女の写真を勝手に撮られて、怒って何が悪い。

すずめは嬉しいような恥ずかしいような気持ちで横目で大輝を見ると、当の本人は聞いていないフリをして、別のところを見ていた。

その日1日すずめの機嫌が良かったのは言うまでもない。


後日、またいつものカフェで大輝と待ち合わせをしていて、すずめは別に用事があったために、早く家を出て用事を済ませると、待ち合わせにはまだ大分早い時間だった。
たまには先に着いて驚かせようと、オープンテラスに座り、飲み物を注文し1人携帯を見ている時だった。

「すずめちゃん!?久しぶり〜!」
声を掛けてきたのは、すずめの地元の友達で、何故ここにいるのかとすずめがパニックになっていると、察した友人たちが口々に言う。
「連絡したじゃん!私、大学こっちになったよって、亜美はこっちで就職したから今度遊ぼうねって」
「そうだよ〜やっぱりすずめちゃんからは、連絡なかったけどね」
久しぶりの友人たちは悪びれなく言う。

「そうだった!亜美ちゃん、唯ちゃん久しぶり〜!何してたの?買い物?」
返事を返さなきゃと思っていて、すっかり忘れていた。
それでも、久しぶりの友人たちの再会は嬉しいものだった。

「うん。亜美は仕事忙しいみたいで、こっち来たって言ってもそんなに遊べるわけじゃないからさ〜。たまにはね。すずめちゃんは?1人で何してるの?」

待ち合わせと言いかけるが、ポンポンと代わる話題にすずめのテンポが付いていかない。

「なんかすずめちゃん綺麗になったね。これで、ぼうっとしたとこなくせば、すぐ彼氏でも出来そうなのに!」
そうだね〜と顔を見合わせて笑う友人たちに、彼氏と待ち合わせですとは言えなくなってしまった。

「あ、すずめちゃん!うちの大学の男の子とさ、飲み会しない!?可愛い子呼んでって言われてたんだ!」

すずめが断ろうとするが、唯がはしゃぎながら早速連絡してみるねと携帯を取り出すと、突然すずめの腰に手が回り今1番現れて欲しくなかった恋人が低い声で呟く。

「へぇ、おまえ新しい彼氏作んの?」

「だ…大輝…っ」

突然、長身美形の男に割り入ってこられ、亜美と唯は顔を赤くして、興奮状態になる。

「ちょ、ちょっと!すずめちゃんっ誰!?」

「え…っと…か、彼氏…です…」

やっと言えたと、すずめはホッと肩をなでおろすが、すずめの言葉に大輝は口の端を上げ嬉しそうに笑っていた。
あまりの格好良さに、思わず顔を真っ赤にし見惚れる友人たち。

「よく出来ました。ってことで、男の紹介とかいらねえから」
すずめの手を取って、チュッと手の甲に口付ける。

「は、はい…」

2人のラブラブな様子に、友人たちはお幸せにと見送りすずめたちはカフェを後にする。


「なあ、なんかおまえ機嫌悪くない?」
「別に悪くない…」
眉間に皺を寄せてプイと横を向く。
腕を引っ張られ、大輝の腕の中に倒れこむ。
「な…に…っ」
「言わないと…ここでキスするけど?」
悪戯っぽい笑みを浮かべて、人通りの多い歩道の真ん中で抱き締められる。

「だって…」
「だって?」

「笑うから…」
「え…?」
作品名:恋のから騒ぎ 作家名:オダワラアキ