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ひとりじめ

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アイツがオレん家に来たいと言った。

二人きりだと自分を抑える自信がないから、
とりあえず親父がいる時に呼ぶことにした。

「やぁ、与謝野さん!こんにちは。」

「こんにちは。あの、お邪魔します。」

「どうぞ、どうぞ。」

親父にアイツが家に来ると言ったら、
朝からソワソワ落ち着かなかった。

どっちの彼女かわかりゃしねえ。


「二階行くから。」

オレが親父に言うと、

「ええと…こんなこと
 聞いていいのかわかんないけど、
 二人はその…?」

と、躊躇うように親父が言った。

オレはまだ、アイツと付き合い始めたことを
親父に報告してなかった。

みるみるうちにオレの顔が火照る。

ふとアイツを見ると、
アイツも茹でダコのようだった。

「は…お付き合いすることになりまして…///」

真っ赤な顔のまま、絞り出すように
アイツが親父に言った。

「あ、そう!やっぱり!
 それは嬉しいな!」

何がやっぱりだ。

どんだけ苦労したと思ってんだ。

それでなんで親父が嬉しいんだよ。

見たことないくらいの満面の笑みだった。


「与謝野さん、大輝をよろしくね。」

「はっはいぃ!私もよろしくお願いします!」

ビシッと直立不動でアイツが言った。


「オイ、行くぞ?」

「あっ、うん。
 えと、これ、うちの叔父さんの
 手作りお菓子なんですけど…」

アイツが親父に包みを渡した。

うまそうなドーナツ。

「えっ、叔父さん?」

「はい、カフェのオーナーをしてるので。
 よかったら大地…くんにも。」

「まぁまぁ気を使ってもらって。
 後で飲み物と一緒に持っていくよ。」

「オレがするからいいよ。」

「そういうわけにはいかないだろう?」

「いいって!」

ヤベ、強く言いすぎたか?

「…大輝?ドアは開けておくんだよ?」

何度も親父を拒否したせいで
変に思われたらしい。

「っ!わかってるって!オイ、行くぞ。」

「う、うん。」

「与謝野さん、なんかあったら
 大声で叫ぶんだよ?」

「え…///」

「何だよそれ!///」

マジうぜえ!

余計意識すんじゃねえかよ!

何かするつもりなら
居ない時に呼ぶわ!

やっぱり親父が居ない時に
呼べばよかったと、
ちょっとだけオレは後悔していた。

作品名:ひとりじめ 作家名:りんりん