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織姫と彦星

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キーンコーンカーンコーン――






今日は七夕


Z組の奴らに短冊でも書かせようかと思って笹と短冊を持ってきた


俺って偉い!!



あれ…これ偉いのか?



んまぁアイツが短冊になんて書くかを知りたいだけなんだけどな





『はいおめーら席につけー』



「センセーが手に持ってる草と紙は何アル?」



『あーコレか?こりゃ笹と短冊だ』



「何に使うネ?」



『お前…今日は七夕だぞ?』



「あぁ!そういえばそうですね!」



「黙れヨ駄めがね」



「なんでぇえ!?」




たく…コイツらは毎日毎日飽きないねぇ…




目的の彼といえば―――――
つまらなそうに外を眺めてる



やっぱり興味ないのか?



まぁ教室に居るだけでも良しとするか



『お前ら七夕の話って知ってるか?織姫と彦星の甘くも悲しい話だ。昔な――――』



俺は奴らに織姫と彦星の話を教えた







『―――――そうして2人は年に1度この日だけ逢うことを許されたとさ。どうだー?勉強になったろ』



「…先生…っ…グスン…前が霞んでよく見えません…グズッ…」



『そうかー。ならマヨネーズを目に注入しとけー』



「……はい…!ブニューーーー…」



本当にやりやがった…



「年に1度しか逢えなくても俺はお妙さんだけを愛していきますよ!!!」



「気持ち悪いんだよゴリラァァ!!!!!」



コイツもこりねぇなぁ…




高杉も相変わらずそっぽを向いてる



叶わない恋ってやつか?


七夕だってのに寂しいねぇ……



『………今から短冊配るからなー。自分の願いを書いてこの笹に結べー』





短冊を手に取ると早速書き始める奴や 何やら考え込んでる奴も居る





高杉は…なんて書くのかな



『高杉ー。さっきの話聞いてたかぁ?』



「あぁ…聞いてた」



へぇ…一応は聞いてたんだ



…ってアレ?
コイツもう短冊書いてやがる



『お前書くの早くない?何て書いたか先生に見せなさーい』



「ッ!!?!馬鹿やめろ…!!」



短冊に手伸ばそうとしたら凄い早さで短冊を机の中にしまわれた







『えっ…何?先生余計気になっちゃうでしょ』



「るせぇ」



ま…いっか

後で見れるし



てかもう今会話してるだけで幸せだわ俺



『はいはいわかったよ。帰り際にちゃんと結んどけよー』



「…けっ」




そんなやりとりをしてたら校内放送が鳴り響いた




ピンポンパンポーン

坂田先生 坂田先生至急職員室まできてください

ピンポンパンポーン―――――





『呼び出しかよ……。――HRに間に合わないと思うから各自笹に結びつけたら帰っていいぞー。それじゃ解散』



教室をでる前に高杉をチラッと見てから俺は職員室に向かった





作品名:織姫と彦星 作家名:棗-なつめ-