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こらぼでほすと プラント11

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リジェネが10分経過を時計で確認した頃、トダカが現れた。タリアが深くお辞儀して迎え入れる。
「襲われていないかい? リジェネくん。」
「今のところは大丈夫。普通の日常会話みたい。とりあえず20分は待ってなさいってママに言われた。」
「じゃあ、五分したらシンたちに連絡してやりなさい。・・・まだ気付いてないらしい。」
 トダカがリジェネからの緊急メールを受け取ったのが20分ほど前だ。シンたちのほうが移動だけなら早いはずだが、まだ現れないということは気付いていないということだ。
「申し訳ありません、トダカさん。ギルが、どうしてもニールくんと二人で話したいと。」
「いえ、それは理解できますよ、タリアさん。レイを預けるのだから、それなりに頼みたいこともあるでしょう。劇的に変化したわけも知りたかったのでは? 」
 レイはニールと出会って劇的に変化した。怒ったり泣いたり心配したり笑ったりと表情が豊かになった。それをなぜなのか知りたいと思うのは当たり前のことだ。ただ答えられるものでもないのが実情だ。レイは、お母さんというものを獲得して甘えたり許されたりすることを知って変化したからだ。それはニールが持っていたものでレイだけに与えられたものでもない。ニールは、マイスター組の子供たちの世話もしていたから、親が居ないやら人間不信な生き物やら二重人格な生き物やらの世話をしていたから慣れていたからできたことだ。
「その通りだと思います。私も驚きました。レイが、人前で、あんなにニールくんと仲良くしているのは、以前なら有り得なかったことです。」
「何もしてないんだけどね。ただ、うちの娘は、普通に家族に接するようにしただけなのさ。それをレイは知らなくて、そうしていいのだと受け入れたから、ああなった。それだけなんだ。・・・・レイが、うちの娘に、おじやを作り出した時には私も驚いた。」
「ああ、そのための家事能力なんですね。」
「長いこと、体調不良で寝たり起きたりだったから、レイも気になって、世話をするために必要なことも身につけたんだよ。それから、料理ができるとニールと一緒にできるということも気付いたらしい。今じゃ、ニールの料理を再現できるようになった。」
「うふふふ・・・何よりですわ。みんな、そのために料理の手伝いをしているんですね。朝食の準備は面白かったです。」
 ニールが差配して料理の段取りをすると、はいはい、と、みんなが動き出す。それまで料理なんてしなかったシンやレイも同じように動くから、タリアは面白かった。あれも具合のよろしくないニールを助けるために、みんなが自主的に身につけたことだ。
「なんせ、みんなが集まるもんだから量が生半可じゃないから。キラ様たちが来られても、みんなが手伝ってるよ。一種のレクリエーションになっているらしい。あの子らには何よりのことだと思う。」
 戦うことしか知らなかった子供たちは、日常というものを与えられた。バーベキューやそうめん流し、餃子大会、カレー大会とか、いろいろと行事ごとの宴会を楽しんでいる。知らなかったものを知れば、さらに知りたいとも思うもので、キラが提案しなくても、何かしらのイベントを始めたりする。それは、とても大切なことだ。そういう日常が大切だから守りたいと強くなれる。今度の旅行も、トダカやニールにプラントを見せたいとシンたちが思ったから、できたことだ。
「トダカさん、シンたちに連絡したよ? すぐに来るって。」
 リジェネはセキュリティーのチェックをしつつ、シンたちにも連絡を入れた。あちらは気付いてなかったらしく、すぐに行く、と、切れたから五分もしないうちに到着するだろう。
「まだまだだなあ、うちの子たちは。10分で戻らなければ、連絡するぐらいのことはできないか。」
「私ではなくニールくんから散歩と言ったからですわ、トダカさん。散歩なら30分は稼げます。」
「そういうことか。気付かれてましたか。」
「はい、リジェネくんだけは放せないので連れて行くとは言いましたけど。」
「この子が離れると自動的に私に連絡が入るようになっているんです。なんせ、元の本職がテロリストですから潜入も逃走もプロで、さすがにシンたちでは追えません。」
「鬼ごっこします? シンたちの、いい訓練になりますわ。」
「じゃあ、次のコロニーでやりましょうか? 遊園地内限定で。」
 いいですわねーとタリアは大笑いだ。現役は退いているが、ニールの本職は、そういう工作活動も入っている。おそらくシンたちでは追い駆けられないだろう。

 五分もしないうちにシンたちも飛び込んできた。では、そろそろ乱入しようか、と、トダカが扉に手をかけたら、あちらから開いた。
「あれ? 」
「娘さん、何もされなかったかい? 」
「一応、プロポーズはされたんですけど、うちの亭主が嫁入り道具についてくると言ったら、笑われました。」
「ああ、そうなるねぇ。きみの亭主は手放す気はないだろうから。」
「そろそろ、お父さんが乱入してくると思ってお茶の用意をしてもらったので、中へどうぞ・・・・あれ? 」
 ニールはトダカだけだろうと思っていたら、背後に年少組だ。息を切っている。どうした? と、手近の悟空に尋ねたら、「ばかぁぁぁぁぁっっ。」 と、叱られた。
「散歩じゃねぇーじゃんっっ。何、拉致されてんだよっっ、ママ。」
「ああ、ごめん。少しギルさんが話したいことがあるってことだったから。すぐに戻るつもりだったんだ。」
「プロポーズされたって? 三蔵は? 」
「三蔵さんも連れて嫁入りするならって言ったら笑われた。」
「プラントなんかに嫁入りなんか俺が許可しないっっっ。攫ったら取り返すかんなっっ。」
「あはははは・・・そうなったら、おまえさんも連れて行くつもりだったんだけど、ダメか? 」
「ダメッッ。特区がいい。」
「そうか、じゃあ断らないとな。・・・・ギルさん、プラントには無理みたいです。寺に婿入りしてください。」
 と、ニールが背後に声をかけたら議長様の笑い声だ。それから大声で、「舅と小舅の集団にいびられるから、私からもお断りします。」 と、返事が来た。そして、ニールの背後から議長が現れる。
「おや、みなさん、勢揃いですか。注文したのでは足りないな。」
 全員の顔を眺めて、また引き込んだ。お茶の追加を頼んでいるらしい。さらに遅れてイザークたちも登場した。こちらは新鋭艦にいたから事後処理してからやってきた。そして、ニールに目を向けて、「この大バカモノがっっっ。」 と、叱り付ける。
「おまえが押し倒されてみろっっ。オーヴとプラントで戦争だぞ? 行き先は告げてから動けっっ。」
「ごめんごめん、イザーク。レイの昔話とか聞いてただけだから。・・・てか押し倒されたらって・・・」
「この男は前例がある。アスランに半殺しにされたのは一度や二度じゃないぞ。」
「へ? 」
「事あるたびに、キスだの抱擁だのするからアスランが本気で殺意を抱いたんだ。」
「あーそうなんだ。」
「おまえの亭主が留守だから、いいようなもんだが、報復となればマグナムだ。わかってるだろ? 」
「いや、それはないと思うけど。」