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こらぼでほすと プラント12

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シンと悟空がホテルに戻ったら、紙袋がたくさんあった。そんなに買い込まなくても、と、シンが言ったら、「ギルさんが、あれもこれもって買ってくれたんだよ。」 と、ニールが説明した。
「ジャンクフードが珍しかったらしくて、ママの説明で、自分も買ってたよ? ということで、おごりだから遠慮なく食べよ。」
「こっちの新作とかあるっっ。これ、知らないな。あとで食おう。」
「おおう、パンも大量だ。」
「まあ、一国家の執政者がスーパーとか行かないものね。ものすごく楽しそうに選んでたよ。レイにも質問して、ママにも質問してさ。」
「ギルが、あんなに商品について知らないとは思いませんでした。・・・意外な一面が見られたので俺も楽しかった。」
 そりゃそうだろう。庶民なコンビニやらスーパーなんて議長様は行く必要も用事もないのだ。たまたま、ニールたちが夜食の買い物が必要だったから付き合ったのだが、レイに尋ねたりするのも楽しかったらしい。

 タリアが、トダカのほうへ出向いた後で、全員がソファで寛いだ。トダカが戻ったら、今夜の予定を考えればいいから、気楽に菓子袋を広げて、おやつにする。
「それで、ギルさんは帰ったのか? レイ。」
「ああ、ルナマリアが護衛に引き渡してくれたはずだ。それから、明日、午後に集まれる知り合いを集めて食事するそうだ。予定はメールしておいたが? 」
「ああ、見た。まあ、一回くらいは顔も見たいしな。悟空もついてくるんだけど、ねーさんたちは、どうする? 」
 同期やら知り合いやらで時間が作れる人間だけ集まって食事しようとは言っていた。その予定が、明日の午後になった。悟空は同年代だし一緒に騒ぐのに参加する方向だが、ニールたちには聞いていなかった。
「俺はパス。明日は、ぐうたら寝てるよ。おまえさんたちで行っておいで。トダカさんは、まだイザークたちと打ち合わせることがあって外出予定だし。ちょうど雑誌とか本を買って来たからさ。」
「僕も残るよ。午前中にルナマリアと買い物に行くぐらいはすると思う。」
「それは俺たちも付き合うつもりだ。別に堅苦しくないぜ? ねーさん。メシ食うだけだ。」
「いや、さすがに今日は疲れたから昼寝しようと思うんだ。ギルさんが、どんな人かわからなくて最初は緊張したしさ。」
「すいません、ママ。ただの変態なんで気にしないでください。」
「いや、それはわかってるけど・・・一応、国家の執政者さんで俺からしたら雲の上の人だからさ。キツイことを言われるかと身構えてたんだ。・・・ほら、俺、テロリストだからさ。」
 変態は以前から承知のことだ。それはいいのだ。ただ、レイを預かることになると、そういう経歴の人間が悪影響を与えるのではないか、とか指摘されるかと思っていた。私邸を訪問した時も、歓迎はしてくれたが、何か言いたそうだとは気付いていたから、覚悟はしていた。それが、そんな話ではなくて気が抜けた。ちょっと、ゆっくり朝寝坊でもしようかな、と、思っている。
「それは問題になりません。そもそもキラさんが、俺と戦ってた時はテロリストです。死傷者数で言うなら、ギルもトップに近いはずです。」
「まあ、そうだけど。」
「あのな、ねーさん。そういう意味でいうなら、現在の『吉祥富貴』は立派なテロリストだ。ねーさんが過去を気にする必要はないぜ。」
「そうだな。割と好き勝手やってるもんな。俺らも、派手なことはしてるぜ? ママ。それは関係ない。」
 シンと悟空も、そんなことを議長が言い出したら半殺しにする。『吉祥富貴』で暮らしているニールは、何もできないし、そちらに参加させるつもりもスタッフたちにはない。ただ、自分たちに普通の日常を与えてくれているだけだ。その評価を悪くするのは許せない。
「ママ、それは言わない約束だよ? それを言ったら、僕もテロリストだからね。」
「・・うん・・・少し話したら、それは違うってわかったよ。本当にレイのことを喜んでる感じだった。だから、後半は、ただの雑談してたんだ。タリアさんからも聞いたよ? おまえが、感情を出さない子供だったから、俺の看病してるのが驚きだったってさ。」
「そうですね、自主的に動きたいと思ったのは、ママのことだけです。それまでは、命じられたら、とか、課題をクリアーしたい、とか、そういう意味でしか動いていませんでした。」
「だから、タリアさんもギルさんも、おまえが、そんなことをしているのが嬉しいんだってさ。どんどん、世話をさせてやって欲しいって頼まれた。」
「ええ、世話を焼きます。どんどん言ってください。」
「レイも寺に住み込みさせるなら、寺の増改築も、ギルさんがさせてもらうって言われて笑ったよ。」
「それは無理ですね。」
「うん、そう言っておいた。学業優先なので、時間があれば寺に滞在していますって。」
「ねーさん、そういう時は、黙って増改築させればよかったんだ。客間がひとつだから手狭じゃね? 」
「いや、十分だよ。それに、増改築ならラクスからも言われてるんだ。断ったけど。」
「はあ? 」
「ラクスが泊ると護衛陣も泊るだろ? その分の部屋をひとつ増やさせてくれって。いらんって断ったぜ。だいたい、あいつは本宅に帰ればいいんだし、どうしてもなら、俺が本宅に泊ればいいんだからさ。」
 そう、ニールには、そういう欲はない。基本的な人数が納まれば、それでいいと思っている。
「そうか、そういや、とーさんが俺らの泊る部屋が欲しいって言ったら、即引越ししたもんな。」
「そういうこと。・・・しかし、本当に面白い人だな? レイ。プロポーズが趣味っていうのは、よくわかった。会話の合間にもプロポーズされるんだ。あれは楽しかったな。」
「キラさんもやられています。アスランが、その度に半殺しにしていますが、懲りた様子はありません。」
「うん、イザークから聞いた。」
「ねぇ、シン、明後日には移動するんでしょ? 遊園地に行くの? 」
「ああ、レジャー設備の充実したコロニーへ移動して二泊して、このツアーも終了だ。なんか、あっという間だったな。」
「二週間で実質は十日ぐらいだな。・・・なんとかダウンせずに済みそうだ。」
「するなよ。」
「そうそう、ダウンはヤバイって、ママ。今日、肉でも食ってスタミナ補給する? 」
「肉? うーん、食べられるかなあ。お茶漬けとかでいいなあ。」
「和食は、あんまないんだよなあ。あっさりしたものがいい? 」
「おまえさんたちの食べたいものを選べばいい。俺はメニューと相
談する。」
「でも、焼肉屋に、あっさりしたもんはないぜ? ママ。」
「サラダとかサイドメニューはあるじゃないか。冷麺でもいいな。」
「いや、悟空、すまんが、ここに焼肉屋がない。中華はあると思うんだけど・・・とーさんが帰ったらリクエストを聞いてみるか。」
 そうだな、と、ニールが頷いて席を立つ。ちょっと横になる、と、寝室に消えた。もちろん、レイがついていく。疲れたなら抱き枕が必要だからだ。