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こらぼでほすと プラント12

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「変態は撃退したんだってな? しかし、ママニャンを攻略対象キャラにするって、なんでもありだな。」
「それ、ちょっと違うんですよ、悟浄さん。攻略対象キャラってのじゃなくて、レイのママだから、結婚して一緒にレイと暮らしたいってことらしいです。」
「はあ? 」
「えーっと、つまり、ママニャンが欲しいとかではなくて、レイの両親として並びたいってことか? 」
「らしいです。 プロポーズされたんですが、三蔵さんが嫁入り道具についてくると言ったら、あちらから断られました。」
 ニールの言葉に、坊主がぶへっと噎せた。そして、沙・猪家夫夫は爆笑の嵐だ。
「ぐっ・・・・・ぐふふふふ・・・三蔵が嫁入り道具ってか・・・・ぐははははははは。」
「くくくくく・・・そうですねぇ・・・・くくくくくく・・・これを放置されては、僕も困ります。」
「・・おまえ・・」
「だって、上司のみなさんが、絶対に捨ててくれるな、っておっしゃったでしょ? あんたが捨てると宣言すれば別ですが、俺からは無理ですよ。ビール、どうですか? 」
「こっちのビールのほうが美味い。これは却下だ。」
「ああ、やっぱり。あと、インスタントラーメンが後日、届くんで、そっちも味見してください。」
「わりと、美味かったぜ? さんぞー。荷物がでかくなるから宅急便で送ったんだ。味見してあるから大丈夫だと思う。」
 土産といっても、名産品があるという所ではない。店のほうには、プラントの有名なお菓子を用意したが、家のほうはコンビニにあったビールやインスタントラーメンなんてことになった。
「確かに、これのほうが薬品っぽい感じですね。あちらの食事事情って、どんなですか? 」
「基本、洋食で、たまに中華って感じでした。和食はないんで、茶漬けが食いたくて。」
「お店とかは、こちらと同様ですか? 」
「似た様なもんですね。そういや、焼肉屋もなかったな。」
「その代わり、シュラスコのバイキングはあったぜ? ねーさん。悟空が鬼のように食って、店員がびびってたじゃん。」
「あー、高い肉は、ほぼ食い尽くしたらしいからなあ。」
「でも、ママは食わないから、ちょうどいいんじゃないか? シン。俺がママの分も食ったって感じだろ? 」
「はあ? ねーさんは一皿がせいぜいだろ? ・・・・ほら、おしゃべりはいいから食え。」
 シンが、適当に大皿から料理を取り分けて運んでくれている。ラクスのほうは台所で、何かの仕上げをしているらしい。卓袱台に乗っているのは夏らしい和食のメニューで、あっさりした煮物や酢の物、焼き魚、刺身なんかが鎮座している。料理を眺めて、帰って来たんだなあ、と、ニールも息を吐く。西洋人だが、長いこと、特区で暮らしているので、和食が一番落ち着くメニューになっている。亭主が缶ビールを飲み干したので冷蔵庫から瓶ビールを運んで来て酌をする。
「相手してやらなかったのか? 」
「全員で阻止してたんで、時間がありませんでした。・・・というか、ものすごく気障な台詞を吐かれて、対応できかねたので断りました。」
「どんな? 」
「『愛してくださらないなら抱けません。』」
 それで、坊主は、ぐふっとむせて笑い出した。そんなもんは寺の女房には無理なことだ。くくくく・・・と笑って、女房の顔を見る。女房と視線が合うと、どちらも苦笑する。
「そんなこと言われてもね。」
「まあな。おまえに、それを望むほうが無茶だ。・・・それで半殺しにしたのか? 」
「トダカさんとタリアさんが手加減したパンチを食らわせて終わり。本気じゃないんだから、そんなもんでしょ? 」
「物好きな男だ。」
「あははは・・・本当に。・・・・こっちは何もなかったんですか? 」
「これといってはない。アマギさんが何回かメシを差し入れしてくれた。ハイネも適当に帰ってきてたぞ。」
「ハイネは? 」
「あいつ、暗黒妖怪が来ることを知ってたんじゃないか? ラボで夜勤するとさ。」
「明日、帰って来るかな。買い物しないと・・・」
「適当でいい。最悪、コンビニでもいいぞ。」
 明日はダウンするかもしれないので、坊主は、そう言う。はしゃいで旅行していたので、そろそろ電池が切れるだろう。悟空は、また短期バイトがあるし、日中は夫夫二人だと思っているから、そんなことになってもいい。女房のほうも、「すいませんねー。」 と、謝っている。そうなったら、すいません、という意味だ。
「ちっとは食え。」
「はいはい。」
 亭主が、煮物を女房の口にあーんする。女房も、ぱくっと口にする。それを微笑んで、坊主はビールに口をつける。ほぼ、ふたりだけの世界だ。ただし、卓袱台には、他の面々もついていたりする。



「あれで、いちゃこらじゃないんだよな? 」
「というか、二人の空間が完成してんだけど? 」
「仲良いよなあ、うちのおとんとおかん。」
「二週間ぶりだから、浸らせてあげましょう。さあ、こちらも食事をいただきましょう。」
 周辺は、いつものことなのでスルーすることにした。しかし、台所から、新しい料理を運んで来た歌姫様は容赦なく、空間を破壊した。ことんと卓袱台に新しい料理を置いて、ニールの横に座る。
「ママ、TKGの最高傑作を用意しました。さあ、あーんしてくださいな? 」
「ん? これ、タマゴかけごはんなのか? ラクス。」
「はい、これなら、あっさりしていますが栄養もございます。さらに、お出汁もございますので、お茶漬け風でも? 」
 見た目には、タマゴかけごはんだが、何やらいろいろと混入されているらしい。さじで口に放り込まれたら、確かに魚の味やらがする。あれ? と、ニールももぐもぐしつつ歌姫様に説明を求めた。
「鯛の身を出汁醤油で漬けにして、それを生卵に入れて、あつあつごはんの上に載せただけです。これは、薬味を足してありますので、それで味を爽やかな感じに仕上げてあるんです。」
「うん、おいしい。・・・なんか、家に帰って来たなあって思うよ。みんなにも出してやってくれ。」
「メイリンが出してくれてますから。私は、ママに、あーんする係りです。ほほほほほ。」
「そうだな。歌姫さん、適当に詰めてくれ。それで風呂入って寝ればいいや。」
「後半は、メシが減ってたもんな。あーやっぱ、焼き魚とかいいなあ。塩だけで焼いたの最高っっ。」
「ニールさん、冷やし茶碗蒸しは、いかがですか? じゅんさいの酢の物もありますよー。」
 メイリンが新しい料理を机に置いてくれる。これも、あっさりメニューだ。酢の物は、ハモの湯引きに酢漬けのじゅんさいがあんかけされた小洒落たもので、これはティエリアも食べられそうだ、と、ニールは記憶のメモに書き込んだ。