3度目の正直 前編 (アオハライド)
「お前を、全部俺のものにしていいの?」
「っ///……うん。」
「ヤベ…こんなこと言ってっと、
俺、勉強手につかなくなるかも。」
全部俺のものにする、
の意味がわからないわけない。
ちょっと怖い。
でもいつか本当に、
洸に全部を捧げたい。
洸が大好きだから。
双葉はそんなふうに思っていた。
「前にも言ったよ?
洸だったら怖くない…」
「双葉…」
もう、あと1mmとか楽しまない。
そんなことやってる間に距離が広がることがある。
双葉は早く、距離を0にしたかった。
「それ、癖?」
「え?」
「近づくと匂い嗅ぐの…」
「あ…洸の匂い、好きだから。」
「っ…我慢、もう無理。
明日、俺ん家来て?」
ホントは今日、今すぐって言いたいとこだけど。
「…うん。」
いよいよ、いよいよだ。
本当に全部あげるんだ。
ドクンドクン、と、
どっちのものかわからない鼓動が
やっぱり静かな通りに、
すごく響いている気がした。
ーーー
後編につづく。
作品名:3度目の正直 前編 (アオハライド) 作家名:りんりん