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3度目の正直 前編 (アオハライド)

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ガタンガタン、ガタンガタン、ゴーッ

と大きい音とともに、電車が通った。


双葉は、「洸、好き。」と言ってみた。


「あー?何か言った?」

洸は、聞こえねよ?という顔で尋ねる。

電車のガタンガタン、という音が
小さくなっていく。

「お前、前にもここで、
 なんか言っただろ?」

「言ってないよ。」

ふっ、と笑って双葉は言った。

「嘘だね。好きって言ったもん。」

「えっ…洸、あの時、気づいてたの?」

「ほら、やっぱり言ったんじゃん?」

「あっ、もう!」

騙された!


「俺も好きだよ。」


洸はそう言って双葉にそっとキスをした。


双葉はギュッともっと強く、
洸のシャツの裾を掴んだ。

唇が離れ、双葉は洸の胸に身を預けた。

「最初に約束したときから、
 ずっと好きだった。」

「うん。」

「隠れてた時も、
 双葉を、誰かに見つけられたくないって、
 俺だけのものにしたいって思ってた。」

「そうなの?」

「うん。」

「もう…私は洸のものだよ。」

双葉が顔をあげると、
洸が少し赤い顔をしてこちらを見ていた。

「ホントに?」

「ホントホント。」

「全部?」

「全部。」

「ホントに全部もらってい?」

「?」