こらぼでほすと プラント15
寺は通常営業に戻り、そろそろお盆の準備という頃に、ようやくフェルトの降下予定が入った。お盆の初日に、オーヴへシャトルで降下してくるということなので、そのままカガリに拉致してもらって遊んでくればいいな、と、ニールは予定を考える。
「おまえらもカガリんとこへ遠征して来い、アレハレ。」
「ニールは? 」
「俺は、寺の仕事があるからパス。」
「じゃあ、僕らは手伝うよ。ニールだけじゃ忙しいでしょ? 」
「でも、せっかくフェルトが降りて来るんだし一緒に遊んでやってくれよ、アレルヤ。寺の仕事は、それほど忙しいモンでもないんだ。ただ、三蔵さんが檀家周りするから家から離れられないっていうだけ。マリーは泳げるのか? 」
「どうでしょう。たぶん、泳げるとは思うんですが・・・」
「それなら行っておいで。フェルトがシュノーケリングが大好きなんだけどさ。あれは海の中を鑑賞できて綺麗なんだってさ。そういうのは貴重な経験だろ? 」
「でも、ニールママは、お一人で寝ることになりませんか? 」
「いや、たぶん、そうなったらハイネが戻ってくるだろう。最悪は亭主と寝るから。・・・・せっかくの夏休みだ。存分に楽しみなさい、マリー。アレハレもな。」
確かに、そういうことなのだが、本当にいいのか? と、アレルヤは考えていたが、悟空は、遠征に参加の方向だ。
「だって、フェルトが降りてくんだから、そっちが優先だろ? それに漁業とか、あっちでしかできないこともあるし。」
「そうだけど・・・でも、ニールが一人になるじゃない。」
「ああ、大丈夫だ。どうせ、ハイネが泊まりに来るし、トダカさんが手伝いに来てくれるから、一人にはならねぇーよ。」
いいのか? それで? と、ティエリアにもお伺いをしてみたら、こちらも遠征に参加しろ、とのご託宣が出た。
「寺のほうは問題ないはずだ。フェルトのほうへ合流してくれ。」
「リジェネのほうは? 」
「もう少しかかる。お盆ウィークが終わる頃には、予定が確定する。それまでは頼む。」
なるべく、ニールを一人にしないために、ティエリアがアレルヤやフェルトたちの降下を調整している。少し周囲が騒がしくなってきて、マイスター組リーダーである刹那は、そちらにかかりきりになっている。刹那の不在を気付かせないために、ティエリアが、穴が空かないように考えている。いつもならリジェネが、その穴を埋めるのだが、今回は、レイの事情で留守をしている。もう少し、リジェネにはヴェーダでの時間が必要だから、そちらを頼れない。レイの事情はティエリアも理解した。確かに、リジェネの提案は必要なことだ。そして、今後、そういう事情の人間に対しての症例のひとつとしてサンプリングできる。
・・・・きみが、それほど、ニールバカになるとは思わなかった・・・だが、感謝するぞ、リジェネ・・・それは、とても必要なことだ・・・・
かなりの特殊事例だが、データは必要だ。ヴェーダに蓄積しておけば、いずれ必要な時に取り出せる。
通信を終えると、今度はリジェネとリンクした。かなり複雑なシステムの調整をしているので、リジェネも集中していてティエリアからのリンクにも気付かない状態だ。全ての神経をリンクする。それは、複雑で困難な作業だ。全てをリンクしなければ、素体と脳は完全にリンクしないので慎重に作業する必要がある。例え、不眠不休で動けるイノベイドといえど、これは難作業だ。邪魔はせず、そっとリンクは切る。そろそろ、先は見えたはずだ。
水着を買いに行きたいです、、と、マリーがニールにねだった。それまではレンタルのものを借りていたので、自分に似合うものが欲しくなった。アドバイスしてもらうなら、ニールに、ということらしい。
「俺は、センスとか皆無だぜ? マリー。」
「そんなことはありませんよ、ニールママ。アレルヤたちの衣装を選んでいらっしゃったでしょ? 私のも選んでください。一応、本格的に泳ぐ用のものとおしゃれなものと二着の予定です。」
「え? それこそ・・・俺にはわかんないよ。ちょっと待ってくれ、アイシャさんかマリューさんが空いてるか聞いてみるから。」
さすがに女性陣の水着は選ぶのは難しいんで、お姉さま方にお伺いを立てた。マリューは仕事持ちだから、参加できないだろうけど、と、思っていたら、翌日、アイシャもマリューも現れた。
「平日ですが? マリューさん。」
「公務員には有給休暇というものがあってね、ニール。休みはとらなきゃいけないの。私も、オーヴ遠征には顔を出すつもりだから、ちょうどよかったわ。私のも選んでちょうだい? 」
「はい? 」
「あなたが、いいなと思うものを着てあげようと、おねーさまが言ってるのよ。」
「あら、そういうことなら、アタシのも頼むワヨ? ニール。悩殺できるのヲ。」
「アイシャさん? それ、虎さんに選んでもらってくださいよ。」
「だから、アンディを悩殺するのよ。イイワネ? 」
なぜか苦行になっている感があるが、お願いしたのは、こちらだから大人しく連れて行かれることになった。アレルヤも連れて行こうとしたら、ハレルヤに変わった。女性の水着売り場は恥ずかしいらしい。
「着替えるんだろ? その間に逃げようぜ? じじい。」
「そうだな。ちょいと雲隠れするか。おまえの水着はいいのか? 」
「まあ、適当なのを買うだけだから五分で済むさ。じじいは? 」
「俺はある。ほら、オーヴで買っただろ? 」
アレルヤたちは、あの後、欧州に移動したから水着は捨ててしまったが、ニールは持ち帰ったので在庫があるし、以前から持っているのもあるから新しいのは必要ではない。
そして、ハレルヤを見て、マリーは、はあ? と、目を眇めた。おまえなんかいらないんだよ、と、ソーマモードだ。
「あなたは必要じゃない。」
「おい、マリー。」
「ハレルヤ? こういう場合は、女子だけで楽しくショッピングするものよ? 」
「マリー? 俺、男なんだけど? 」
「ニールママは女子の括りです。」
「え? 」
「スイーツを食べたり買い物したりは女子ばかりのほうが楽しいと、お姉さま方がおっしゃってます。クルマも四人なら一台で事足ります。ハレルヤは置いていきましょう。」
「でも、こいつも水着が必要なんだ。俺、ハレルヤのバイクにも乗せて欲しいし。」
「この日中に? ダメです。それなら、夕方か夜に私が乗せて差し上げます。さあ、行きますよ? ハレルヤ、自力で買出ししてきてください。」
ソーマモードのマリーは容赦がない。邪魔だ、と、一刀両断されてハレルヤも引き下がった。というか、これ幸いと手を振って見送りモードだ。まあ、女子の買い物なんて面倒なのは、男性陣にとっては当たり前だ。助けてくれよーと目で、ニールがお願いしたら、「後から拉致してやるから。」 とは小声で返された。
そういうことなら、と、『吉祥富貴』に近いショッピングモールまで遠征したが、一向に救助は来ない。女性陣は、とっかえひっかえで着替え呼ばれるので、ニールにも息をつく暇がない。
「どう? やる気はでる? ニール。」
「まあ、ぼちぼちですか。」
「こっちは? ニール。」
「それ、泳げませんよね? アイシャさん。」
「ニールママ、これなら可愛いですか? 」
「おまえらもカガリんとこへ遠征して来い、アレハレ。」
「ニールは? 」
「俺は、寺の仕事があるからパス。」
「じゃあ、僕らは手伝うよ。ニールだけじゃ忙しいでしょ? 」
「でも、せっかくフェルトが降りて来るんだし一緒に遊んでやってくれよ、アレルヤ。寺の仕事は、それほど忙しいモンでもないんだ。ただ、三蔵さんが檀家周りするから家から離れられないっていうだけ。マリーは泳げるのか? 」
「どうでしょう。たぶん、泳げるとは思うんですが・・・」
「それなら行っておいで。フェルトがシュノーケリングが大好きなんだけどさ。あれは海の中を鑑賞できて綺麗なんだってさ。そういうのは貴重な経験だろ? 」
「でも、ニールママは、お一人で寝ることになりませんか? 」
「いや、たぶん、そうなったらハイネが戻ってくるだろう。最悪は亭主と寝るから。・・・・せっかくの夏休みだ。存分に楽しみなさい、マリー。アレハレもな。」
確かに、そういうことなのだが、本当にいいのか? と、アレルヤは考えていたが、悟空は、遠征に参加の方向だ。
「だって、フェルトが降りてくんだから、そっちが優先だろ? それに漁業とか、あっちでしかできないこともあるし。」
「そうだけど・・・でも、ニールが一人になるじゃない。」
「ああ、大丈夫だ。どうせ、ハイネが泊まりに来るし、トダカさんが手伝いに来てくれるから、一人にはならねぇーよ。」
いいのか? それで? と、ティエリアにもお伺いをしてみたら、こちらも遠征に参加しろ、とのご託宣が出た。
「寺のほうは問題ないはずだ。フェルトのほうへ合流してくれ。」
「リジェネのほうは? 」
「もう少しかかる。お盆ウィークが終わる頃には、予定が確定する。それまでは頼む。」
なるべく、ニールを一人にしないために、ティエリアがアレルヤやフェルトたちの降下を調整している。少し周囲が騒がしくなってきて、マイスター組リーダーである刹那は、そちらにかかりきりになっている。刹那の不在を気付かせないために、ティエリアが、穴が空かないように考えている。いつもならリジェネが、その穴を埋めるのだが、今回は、レイの事情で留守をしている。もう少し、リジェネにはヴェーダでの時間が必要だから、そちらを頼れない。レイの事情はティエリアも理解した。確かに、リジェネの提案は必要なことだ。そして、今後、そういう事情の人間に対しての症例のひとつとしてサンプリングできる。
・・・・きみが、それほど、ニールバカになるとは思わなかった・・・だが、感謝するぞ、リジェネ・・・それは、とても必要なことだ・・・・
かなりの特殊事例だが、データは必要だ。ヴェーダに蓄積しておけば、いずれ必要な時に取り出せる。
通信を終えると、今度はリジェネとリンクした。かなり複雑なシステムの調整をしているので、リジェネも集中していてティエリアからのリンクにも気付かない状態だ。全ての神経をリンクする。それは、複雑で困難な作業だ。全てをリンクしなければ、素体と脳は完全にリンクしないので慎重に作業する必要がある。例え、不眠不休で動けるイノベイドといえど、これは難作業だ。邪魔はせず、そっとリンクは切る。そろそろ、先は見えたはずだ。
水着を買いに行きたいです、、と、マリーがニールにねだった。それまではレンタルのものを借りていたので、自分に似合うものが欲しくなった。アドバイスしてもらうなら、ニールに、ということらしい。
「俺は、センスとか皆無だぜ? マリー。」
「そんなことはありませんよ、ニールママ。アレルヤたちの衣装を選んでいらっしゃったでしょ? 私のも選んでください。一応、本格的に泳ぐ用のものとおしゃれなものと二着の予定です。」
「え? それこそ・・・俺にはわかんないよ。ちょっと待ってくれ、アイシャさんかマリューさんが空いてるか聞いてみるから。」
さすがに女性陣の水着は選ぶのは難しいんで、お姉さま方にお伺いを立てた。マリューは仕事持ちだから、参加できないだろうけど、と、思っていたら、翌日、アイシャもマリューも現れた。
「平日ですが? マリューさん。」
「公務員には有給休暇というものがあってね、ニール。休みはとらなきゃいけないの。私も、オーヴ遠征には顔を出すつもりだから、ちょうどよかったわ。私のも選んでちょうだい? 」
「はい? 」
「あなたが、いいなと思うものを着てあげようと、おねーさまが言ってるのよ。」
「あら、そういうことなら、アタシのも頼むワヨ? ニール。悩殺できるのヲ。」
「アイシャさん? それ、虎さんに選んでもらってくださいよ。」
「だから、アンディを悩殺するのよ。イイワネ? 」
なぜか苦行になっている感があるが、お願いしたのは、こちらだから大人しく連れて行かれることになった。アレルヤも連れて行こうとしたら、ハレルヤに変わった。女性の水着売り場は恥ずかしいらしい。
「着替えるんだろ? その間に逃げようぜ? じじい。」
「そうだな。ちょいと雲隠れするか。おまえの水着はいいのか? 」
「まあ、適当なのを買うだけだから五分で済むさ。じじいは? 」
「俺はある。ほら、オーヴで買っただろ? 」
アレルヤたちは、あの後、欧州に移動したから水着は捨ててしまったが、ニールは持ち帰ったので在庫があるし、以前から持っているのもあるから新しいのは必要ではない。
そして、ハレルヤを見て、マリーは、はあ? と、目を眇めた。おまえなんかいらないんだよ、と、ソーマモードだ。
「あなたは必要じゃない。」
「おい、マリー。」
「ハレルヤ? こういう場合は、女子だけで楽しくショッピングするものよ? 」
「マリー? 俺、男なんだけど? 」
「ニールママは女子の括りです。」
「え? 」
「スイーツを食べたり買い物したりは女子ばかりのほうが楽しいと、お姉さま方がおっしゃってます。クルマも四人なら一台で事足ります。ハレルヤは置いていきましょう。」
「でも、こいつも水着が必要なんだ。俺、ハレルヤのバイクにも乗せて欲しいし。」
「この日中に? ダメです。それなら、夕方か夜に私が乗せて差し上げます。さあ、行きますよ? ハレルヤ、自力で買出ししてきてください。」
ソーマモードのマリーは容赦がない。邪魔だ、と、一刀両断されてハレルヤも引き下がった。というか、これ幸いと手を振って見送りモードだ。まあ、女子の買い物なんて面倒なのは、男性陣にとっては当たり前だ。助けてくれよーと目で、ニールがお願いしたら、「後から拉致してやるから。」 とは小声で返された。
そういうことなら、と、『吉祥富貴』に近いショッピングモールまで遠征したが、一向に救助は来ない。女性陣は、とっかえひっかえで着替え呼ばれるので、ニールにも息をつく暇がない。
「どう? やる気はでる? ニール。」
「まあ、ぼちぼちですか。」
「こっちは? ニール。」
「それ、泳げませんよね? アイシャさん。」
「ニールママ、これなら可愛いですか? 」
作品名:こらぼでほすと プラント15 作家名:篠義