機動戦士ガンダムRSD 第5話 癒えぬ傷
「マン・マシーン発進1分前」
エルヴィン中尉が艦内放送でパイロットに呼びかけた。
「到着後は、哨戒任務として第541遊撃艦隊の指示に従うよう言え」
マーカー艦長がエルヴィン中尉に命令した。
「アメノミハシラで戦闘と思しき熱分布を検知。
モビルスーツです」
ヘルマン中尉がアメノミハシラでの異常を報告した。
「発進停止。
状況変化。
アメノミハシラにて第541遊撃艦隊がアンノウンと交戦中」
エルヴィン中尉が無線で各機に状況変化を伝えた。
その報告に多くのパイロットが驚いた。
「地球軍か?」
サイジョウ元帥が敵の正体を推測した。
「それともオーブ軍か?」
それは、サオトメも同じだった。
「各機、対モビルスーツ戦闘用に装備を変更して下さい」
マン・マシーン隊は、哨戒用の軽装備であったため対モビルスーツ戦は想定していない武装を装備していた。
そのため装備の換装が必要だった。
「更にボギーワンおよびボギーツーを確認。
グリーン25デルタ」
ヘルマン中尉の報告にマーカー艦長は、驚きを隠せなかった。
「あれが?」
ミハイル副艦長は、戦慄していた。
パイロットたちは、さらに息をのんだ。
サオトメは、冷静に何が一番の戦略的勝利か考えた。
「どういうことだ?」
テリー大尉は、思わずエルヴィン中尉に怒鳴りつけた。
「分かりません。
しかし本艦の任務は、第541遊撃艦隊の支援であることに変わりなし。
換装終了次第各機発進願います」
各機は、装備換装作業に入った。
※
ミネルバでは、コアスプレンダーの発進準備に入った。
「中央カタパルトオンライン。
発進区画、減圧シークエンスを開始します。
非常要員は、待機して下さい。
コアスプレイダー全システムオンライン。
発進シークエンスを開始します」
※
「ボギーまで来るとは」
サイジョウ元帥は、換装作業終了を待ちながらぼやいた。
各機は、装備換装作業をしていた。
「状況が変わりましたね。
危ないですよ」
カレン中尉がアンディー大尉をからかった。
アンディー大尉は、黙って聞き流していた。
「お止めになります?」
カレン中尉は、調子に乗った。
「バカにするな」
さすがのアンディー大尉も黙っていなかった。
※
ミネルバでは、コアスプレイダーの発進準備が完了した。
「シン・アスカ、コアスプレイダー、行きます」
そういうとコアスプレイダーが発進した。
次にチェストフライヤーが発進し、レッグフライヤーが発進し、そしてフォースシルエットフライヤーが発進した。
※
ガーティー・ルーからはカオスガンダム、アビスガンダムとガイアガンダムが発進した。
※
「レイ・ザ・バレル、ザク、発進する」
レイ専用ブレイズザクファントムが発進した。
「ルナマリア・ホーク、ザク、出るわよ」
ルナマリア専用ガナーザクウォーリアが発進した。
「針路クリア、発進どうぞ」
メイリン軍曹が発進許可を出した。
「マユ・アスカ、ザク、行きます」
マユ専用スラッシュザクファントムが発進した。
作品名:機動戦士ガンダムRSD 第5話 癒えぬ傷 作家名:久世秀一