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――――鬼兵隊が解散した――――


俺の耳にそんな話が飛び込んできた。
こんな情報をいち早く入手し俺に言いに来る奴はこの男しか居ない。



土方十四郎。

今俺はこの男から「鬼兵隊が解散した」と聞かされた。






…鬼兵隊が、解散…?
何を言っているんだ、こいつは。



「おい、聞いてるのか?万事屋」



解散って事は……いや、あいつが誰かに…俺以外の誰かに殺されるとは思えねぇ。


どういう事だ…?


だってお前……解散って事はつまり…




土「おい、万事屋!!」


銀「…どういう事だ」


土「あ?」


銀「解散って、どういう事だ」


土「それはこっちが聞きてぇよ」


銀「あいつは…」



俺はあいつの名前を出そうとしたが口にはしなかった。




土「武市も来島も河上も、それぞれ違う場所に散ったらしい。筆頭だった高杉の野郎も行方知れずだ」



…行方知れず?

あいつが…?


どういう事だ…。
世の中はまだ変わっちゃいねぇ。
あいつが望んでたような世界になった訳でもねぇ。

それなのに解散…?



銀「おい土方。その情報は確かなのか?」


土「あ?間違いねぇよ。これで永久に捕まえられなくなったな。各々が別々の地に散ったのなら捕まえられねぇよ」




俺は嫌な予感しかしなかった。

あいつが望んでたような世界になった訳でもねぇ。
ましてや俺を倒した訳でもねぇ。

それなのに解散。









銀「あいつが何処に行ったのかは分からないのか」


土「あいつ?高杉の事か?さぁ、何処に行ったのかは知らねぇな。知ってたらとっくに捕まえてんだろ」


銀「そうか。悪いが俺は今から出る」


土「何処に行くんだよ?」


銀「暫く空けるから新八と神楽の事よろしく頼む」


土「お前まさか…」


銀「じゃあな」


土「…待て。行かせないと言ったらどうする?」



抜刀した土方が俺を睨み付ける。


土「助けに行くのならお前も罪人だ。処罰する必要がある」



銀「―――――退いてくれ」



土「―――ッ。何だよ…その目は…。お前らしくもねぇ…」


そう言って土方は刀を納め道を開けてくれた。


銀「…悪ぃ」




それだけ言って、俺は家を出た。




―――――――

――――


土「悪ぃ…か。―――っはん。敵わねぇなぁ…。銀時にあんな顔させやがって。羨ましいよ。あの眼帯野郎が。」


俺はそう言って煙草に火をつけた。






――――その頃。土方の心情を知るわけもない銀時は、町を駆けていた






――――――――――――――――
――――――――
――――


銀時はありとあらゆる場所を探した。


一度でも会合に使われた場所、
よく船を停留させていた場所、
すれ違ったことのある道。。



しかし…

銀「手がかりすら…ねぇか…」


だが、銀時にはもうひとつだけ思い当たる場所があった。


それは――――――――――






松陽先生の墓だ。



銀「これだけ江戸の町を探したんだ。残るは…あそこしかねぇ」



そう言い、銀時は先生の墓へと走った。








墓と言っても、故郷にある墓ではない。


銀時達が立てたもうひとつの墓。
桂、高杉、銀時しか知らない場所。



銀「くそ…っ。頼む。間に合ってくれ…」


銀時はとにかく走り続けた。



銀「はぁ…はぁ…はぁ………。高杉…」






――――――――――――――――





気がつけば夕暮れ。
銀時はようやく目的地に着いた。


そして案の定、探していた相手もそこに居た。




銀「高杉……!」


銀時が駆け寄る。


高杉はゆっくりと振り向く。


高「銀時……?」


銀「よかった……間に合って。やっぱりここに居たんだな…」


高「………」


銀「…土方から話は聞いた。―――高杉。お前はここで何してんだ?」


高「………」


高杉は答えない



銀「答えろ…高杉」



高「………」



苛立ちを押さえきれなくなった銀時は、高杉の胸ぐらを掴み


銀「くっ…!!!てめぇ!!!答えろ高杉!!!」



高「………」



銀「どうした!いつものお前なら刀を抜いてるだろ!怖じ気づいたのか!?あぁ!?」



怒鳴り付けるが、高杉は目を合わせようとしない。



銀「答えろ…高杉……。俺は……俺は許さねぇぞ。―――――死ぬなんて許さねぇからな!!!!!高杉!!!!」




高「っ―――――。」



高杉の肩がビクッと震えた。



作品名:繋がり 作家名:棗-なつめ-