何度でも…前編
獅子尾はすずめを起こさないように、ベッドへ下ろすと寒くないように布団を掛けた。
「ん……」
起きたわけではなさそうだが、艶を含んだような鼻にかかった声に、獅子尾は落ち着きを失くした。
一方で、迂闊すぎるすずめの今夜の行動に憤る。
自分が女だという自覚がないのか。
友人たちと行動を共にするならともかく、タチの悪い奴らにナンパされた直後に1人で帰るなど襲ってくれと言わんばかりだ。
タチの悪い奴ら…いや、俺もだな。
獅子尾は自身を嘲笑う。
もしも、与謝野すずめという元教え子を助けるために動いていたのならば、諭吉に連絡をすればよかったのだ。
そのことが考えつかなかったはずがない。
教師としての行動ならば。
本人が住所を言わなかったとはいえ、元教え子を自宅に連れ込むのは外聞が悪すぎる。
それでも、2度と戻らないと思っていた温もりがこの手の中にあることに幸福を覚えた。
獅子尾は、スースーと穏やかな寝息を立てて眠るすずめにそっと口付ける。
微かにアルコールの匂いは残ってはいるが、そんなものは全く気にならないほどにすずめに飢えていた。
本当は今すぐにむしゃぶりつきたい、衣類を全て剥ぎ取って全身を舐め回して、何度も快感を与え恍惚に至る表情を見たかった。
すずめの薄く開いた唇から、赤い舌が覗き獅子尾を誘う。
誘われるがまま、自身の舌を絡め軽く吸った。
クチュと音を立てて唇を深く合わせると、寝ているはずのすずめも獅子尾に合わせて舌を動かした。
「ふっ…はぁ…ん」
すずめの甘い声に、獅子尾の身体の芯が痺れるように熱くなっていく。
獅子尾の手が、すずめの腿の内側に触れ撫でるように中心部へと進むと、クチッと濡れた音を立て誘うように自ら脚を開く。
「ん、ぁ…大輝…」
すずめが名を呼んだ。
もちろん獅子尾の名前ではない。
その瞬間、身体中の熱が冷めていくのを感じた。
後編へ続く
***
獅子尾×すずめじゃないんですよ!?
すみません!後編では大輝とちゃんと(笑)イチャつきます!