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こらぼでほすと プラント16

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お盆ウィークの前日に、アレハレたちとマリーはオーヴの遠征に出かけた。本当に大丈夫なのか、と、気にはなったが、ハイネが戻って来たし、坊主もいるから悟空は大丈夫、と、太鼓判を押した。
「バイトさんの相手と、三蔵の世話だから、外へは出ないんだ。買出しも、俺らがいなきゃ少なくて済むしさ。」
「それはそうだけど・・・」
「俺が相手をするから、おまえらはフェルトちゃんと遊んで来い。マリーさんはカガリたちと顔を合わせておくほうがいいだろ? 」
 ハイネも、そうおっしゃる。まあ、確かに、マリーは、まだ歌姫様ともカガリとも、ほとんど面識がないから、そちらと接触させておくほうがいい。これから、寺へ降りて来ることもあるから、付き合いはできるからだ。

 翌日から、お盆ウィークで、バイトの小坊主たちが三人ほどやってきた。坊主が挨拶して、墓地の回向を依頼する。それにはニールもついていって、休憩場所やら冷たい飲み物の場所などを教えておく。食事も簡単なものは用意しておくので、適当に休憩してください、と、言えば終わりだ。
「午前中に三件。午後から六件です。」
「ん? 少ねぇーな。」
「平日だからでしょう。明日は、合計十七件。ピークです。」
「・・・わかった。外へ出るなよ? 」
「はいはい。一応、水筒は用意してありますが、なるべく水分摂ってくださいね? 」
 スクーターの荷物入れに小型の水筒は投げ込んだ。ご近所を走り回るのだが、本日もセミがミンミンと五月蝿い猛暑だ。適度に水分補給はして欲しい。
「うぜぇ。冷麺に焼き豚だ。」
「それは、中華? それとも韓流? 」
「韓流で、キムチも用意しておけ。米も食う。」
「了解です。気をつけて、いってらっしゃい。」
 玄関で坊主を見送ると、まず洗濯辺りから開始する。今日から寺の人員は多くても五名なので洗濯物も少なくなる。年少組は、全員、オーヴの遠征に出かけたので残っているのは、大人ばかりだ。沙・猪家夫夫も同行したので、人員が増えることはない。
 脇部屋のひとつは、バイトさんたちの休憩用にエアコンをいれて冷やしている。そちらに昼ごはん用のおにきりやらおかずを差し入れて、墓地のほうへ顔を出した。墓地のお客も、まだ、まばらなのでバイトさんたちは日陰のベンチで待機中だ。
「飲み物は、これで足りますか? 他のがよければ用意しますが? 」
 一応、ベンチの横に氷を入れたタライにペットボトルを冷やしている。お茶とコーヒーと炭酸ジュースとポカリなんかを用意しているが、好みがあれば、それも用意するつもりだ。
「いえ、十分です。」
「それと、お昼は、あそこの脇部屋に用意してるんで、適当に召し上がってください。家のほうに俺が居ますんで、何かあったら遠慮なく、どうぞ。」
 と、言い置いて戻る。そろそろハイネが起きる時間なので、ニールのほうの脇部屋を覗いたら、ようやく目が覚めたところらしい。うーんと布団の上で伸びをしていた。
「今日も季節は絶好調のようだな? ママニャン。」
「三十度は超えるらしい。そろそろ起きるか? 」
「おう、軽く食わせてくれ。」
 ハイネは、店が休みなので寺で居候態勢だ。ラボのほうは虎とダコスタがローテーションで担当しているから、本気で休みらしい。ただし、それ以降はラボに滞在する。要は、お盆ウィークのニールの体調管理をしている。
「別に出かけてくれていいんだぜ? ハイネ。」
「まあ、所用で昼に出かけることはあるけど、居候させてもらう。どうせ、お盆が終わったら、俺の寝床もなくなるしな。」
「そうかな。俺のとこで、アレハレは寝るし、マリーさんを客間にやるから、おまえさんとこは空いてるはずだ。」
「リジェネは? 」
「え? 連絡あったのか? 」
「いや、まだだけど、そろそろ帰って来るだろ? 」
「リジェネが帰っても、ハイネの部屋は空いてるさ。」
「買出しは? 」
「これといってはない。」
「ほんとか? このクソ暑い日中に歩くとかやめてくれよ? 」
「今日はないよ。」
 二人して回廊を降りて居間に入る。居間には、白い着物がいくつか畳んで置いてある。
「これは? 」
「三蔵さんの着替え。汗だくだから、着替えてもらうように置いてるんだ。この炎天下にスクーターだろ? 袈裟も塩を噴きそうな勢いだ。」
 さすがに袈裟も着物も洗濯できる代物ではないので、今日の分をクリーニングに出して、また明日、引き取っての繰り返しになる。今日は件数が少ないから、着替えないかもしれないが、明日は確実に汗だくだろう。
「それ、いつ、クリーニング屋に走るんだ? 」
「夕方。お急ぎなら、明日には仕上がるんだ。俺が洗濯できたら、いいんだけど。こればかりはなあ。」
 洗濯してアイロンかけすればいいらしいのだが、着物なんてよくわからないので、クリーニング屋を利用している。悟空も、そうしていたので、そのまま引き継いでいる。
さいですか、と、ハイネは呆れつつ卓袱台に座る。もうすぐ昼時だから、坊主が戻ったら一緒に食事するつもりで、コーヒーだけ頼んだ。



 なんとか最終チェックも終わった。目覚めていただこう、と、リジェネは素体を外に出す。医療ポッドの薬液を排出して、カプセルを開く。機能は正常に稼動しているから、意識は覚めるはずだ。
 身体機能自体に問題はないが、覚醒するのは個々に違う。のんびりと待っていると、脳波が覚醒へと動き出した。それならば、と、リジェネも素体に戻って、レイの素体の前に屈みこんだ。


・・・・もう終わったのか・・・・


 レイの記憶は医療ポッドに入ったところで途切れている。そこから意識が消えて、どのくらいの時間が経過したのか不明だが、どうやら終わったらしい。眠っていただけだから、時間は感じない。ゆっくりと目を開くと、そこには知り合いのイノベイドの顔だ。
「おはよう、レイ。・・・ゆっくりでいいから・・・僕のことは覚えている? 」
 にっこりと笑っているイノベイドは、眠る前と同じものだ。身体を素体に入れ替えると言われていたが、身体に違和感はない。指先を動かしたら、ちゃんと動く。目をパチパチさせても、ちゃんと思うように動く。
「・・・リジェネ・・・」
 もちろん、自分の出した声も聞こえる。変わらない自分の声という認識だ。
「うん、覚えていてくれたんだね。よかった。・・・・とりあえず、足とか手を動かして違和感がないか確かめてくれる? 」
 言われるままに身体を動かしたが、違和感はない。意識がはっきりして首を少し上げたら、全裸のままだった。
「終わったのか? 」
「終わったよ。今、きみが動かしているのは、僕が用意した素体だ。どうやら成功みたいだね。」
 これが? と、しげしげと手を眼の前に持ち上げてみるが、何も違和感はない。ニギニギと手を開いたり閉じたりしても思うがままだ。本格的に起き上がったが、きちんと自分の思うように動いている。
「俺の本体は? 」
「生体データを一部保管して、廃棄した。」
「俺の脳は? 」
「動けるならポッドから出て。こっちにある。」