こらぼでほすと プラント16
マリーが浮上してくるので、今度はアレルヤが潜水する。ぷはっと息を吐き出したマリーは、「びくともしませんよ、カガリ。」 と、肩を落としている。
「当たり前だ。そう簡単に外れたら、あいつらも嵐の時に困るだろ? アレハレも参加してもらったから、三人なら、なんとかなる。」
「なんだか、獲物を狙うのは、ぞくぞくしますね。」
「あははは・・・そりゃ、獲れたら、おいしいからな。午後からジェットスキーで遊ぼうか? 」
「いいですね。」
「カガリ、僕らも乗せてよ? 」
キラたちが近寄ってきた。一度、休憩にヨットに戻るところだ。
「ああ、フェルトも乗ろう。自分でも運転してみるか? 」
「うん、運転してみたい。」
「よし。みんなで競争してもいいな。島半周ぐらいでハンデをつければ、なんとかなるだろ。ラクスは、どこに乗る? 」
「キラの後ろに乗せていただきますわ。フェルト、カガリの後ろは危険ですよ? 」
「自分で運転するよ、ラクス。マリーはアレルヤの後ろ? 」
「いえ、カガリと対戦をしたいので単独で。」
「くくくく・・・いいな、マリー。私も、おまえと戦いたい。」
「あーあー、これでシンと悟空も参加すると、激しいバトルだね。ラクス、僕たちは、のんびり散歩しよ? 」
「ええ、キラ。」
午後からの予定で盛り上がっていたら、ザブンとアレルヤが浮き上がってきた。
「カガリ、重いっっ。助けてぇ。」
「うわっ、もう外したのか? アレハレ。マリー、手伝え。」
アレルヤが単独で引きずり出したシャコ貝は、かなり大きなものだった。両手一杯の大きさなので、さすがの超兵でも手に余るらしい。きゃあきゃあと三人で持ち上げて立ち泳ぎでヨットへ運ぶ。
「すごいね? アレルヤは。」
「フェルトも、やってみる? 」
「小さいのでね、キラ。私には、あんなのは無理だよ。」
「また宝貝やウサギ貝でも探しましょう、フェルト。漁業は、私たちには向きません。」
「うん、ニールのお土産にする。」
「ええ、ママも喜びますわ。」
こちらは、のほほんとした漁業なので、気楽なものだ。せっかくの夏休みだが、毎年、これだけはママは参加してくれない。寺の仕事が忙しいからだ。
「ニールも来られたらいいのにね。」
「でも、寺のお仕事がありますものね。」
「時期を変えれば、来られますよ、フェルト。次回は、もう少し前にずらしましょう。今回は、プラントツアーがあったから、来年は、スケジュールを確保いたします。よろしいですか? メイリン。」
「承知いたしました、ラクス様。・・・・うふふふふ・・・バカンスはいいですね。おねーちゃんにも声をかけていいですか? 」
「もちろんです。是非、ルナマリアにも参加してもらいましょう。たまには女子で羽目を外すのも一興です。」
「ラクス、それ、鬼が笑うって言うんだよ? 来年の話なんてさ。」
「でも、キラ、休みは事前に組み込んでおかないと、私は休めませんもの。」
「そうだけどさ。」
予定は予定。どうなるか、わからないが、そんな未来があればいいな、と、みな、考えて笑っている。キラも、そう言ったが、実現はできるだろうと思っていた。まだ、組織が本格的に動き出す予定ではなかったからだ。
「みんな、そろそろ、引き上げるぞ。上がってくれ。」
アスランがヨットから拡声器で撤収と叫んでいる。もう、昼か、と、シンと悟空はヨットまで猛スピードで泳ぎだす。午後からはジェットスキーでレースをやることに決まったので、そちらでも暴れる気満々だ。
作品名:こらぼでほすと プラント16 作家名:篠義