こらぼでほすと プラント17
どうしたって合成品で作られた菓子は味が落ちる。店では出せないので、そうするのが妥当だ。とにかく、せっせと箱を開いて、悟空が食べられそうなのをチェックすることにした。夕方、悟空が帰って来たが、うーん、と、腕組みして思案顔だ。もちろん、賞味期限までに消費はできるのだが置き場所がないので、取捨選択しなければならないからだ。
「この辺りは残そうと思うんだけど? ごくー。」
「そうだな。ノーマルタイプだけにしようぜ、キラ。アスラン、これ、二、三日中に移動できる? 」
「ああ、今夜、手配しておけば明日には移動できる。カガリとラクスが関係している養護施設に送るよ。」
「生がなくてよかった。カガリんとこのが、まだ店に在庫としてあるもんな。・・・・てか、これ・・・金持ちって、こういうもんなのか? 」
「いや、単位がよくわかってないんだと思う。あの人、専門バカだからさ。」
「ママを拉致したお詫びなのかな。」
「はあ? 悟空、その台詞は聞き捨てなりませんよ? 拉致されたんですか? 」
「うん、プラントでな。まあ、トダカさんとタリアさんがパンチしたから、それでチャラにしたんだけど。」
「まあ、とんでもない男ですね。」
「マリー、そういう意味では、議長はバカなんだ。本格的に拉致されたら、俺たちも反撃するから。」
「いやいやいや、アスラン? その話は終わったことだから、蒸し返すなっっ。」
せっせと手を動かして、なんとか残す分を選別すると、キラがいそいそと自分の分を大きなゴミ袋に放り込む。新婚さん二人なので、それほどではない。残りはシンやレイ、寺で分けることにしてハイネが使っている脇部屋に押し込んだ。
作品名:こらぼでほすと プラント17 作家名:篠義