二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

こらぼでほすと プラント18

INDEX|1ページ/3ページ|

次のページ
 
予定より二日遅れで、軌道エレベーターにリジェネは辿り着いた。ヴェーダから持ち出した小型艇は自動操縦にして引き返させた。リジェネとティエリアの新しい素体を準備したら時間がかかったせいだ。アフリカンタワーから特区への直行便に乗り換えて、戻ったのは、お盆を過ぎていた。ティエリアが、アレハレたちに連絡してくれているので、まだ特区に滞在してくれているから慌てる必要はないが、それでもリジェネは急いだ。とてもママの顔が見たくてまらなかったからだ。



 さて、お盆ウィークを無事に過ごし、とんでもない荷物を整理できて数日、日常生活に寺は戻っていた。悟空は学校が始まるまでは、また短期バイトに精を出しているので、日中はアレハレたちが滞在して、のんびりしている。今日は、境内の草むしりを午前中にやって、ただいま休憩中だ。フェルトは、数日は寺に滞在したものの、今回の予定は短期だったので、すでに組織のほうへ帰ってしまったから、寺に残っているのはアレハレとマリーだけだ。ということになっているが、フェルトはライルの応援に欧州へ移動した。不穏な空気が、ある企業体にあるので、それを実働部隊が確認している。それについてのお願いをフェルトはキラに頼んだので、そちらの準備にキラもとりかかったところだ。さすがに、ガンダム本体は隠密活動には使えないので、中古のフラッグなどを組織で改造して使うことになった。その古い機体を確保して欲しいというお願いで、キラが知り合いから買い付けて組織へ送ることになった。古い機体とはいえ、認識番号やら何やらがあるので、まったく関係ないキラが何重にもクッションを置いて買い付けて、認識番号やらの登録も変えてしまえば、組織で使っても足がつかないからのことだ。てなわけで、そちらの準備で寺には誰も寄り付けなくて、アレハレとマリーがニールの担当をしている。


「マリー、日焼け止めの塗り直ししておけよ? 汗で流れてるからな。」
「それなら、ニールママもですよ? 首筋が赤くなってます。」
「あ、ほんとだ。ニール、タオルで冷やしたほうがいいんじゃない? 」
 本堂の前の階段に座り、冷たいものを飲んでいる。午前中に外での用事は片付けて午後からは家の用事をするようにしているので、もう一仕事したら、お昼の用意をするつもりで、ニールは考えている。やはり、超兵たちのパワーは有り難いもので、一人だと何日もかかる境内の草むしりも、二日ほどで終わりそうだ。
 アレハレが、バタバタと回廊を降りて冷たいタオルを持って来て、ニールの首筋にかけてくれるし、マリーのほうは日焼け止めを塗りなおしてくれている。至れり尽くせりで、有り難いとは思っているのだが、だらだらと寺で燻っているのは、いかがなものか? とは思っている。
「なあ、そろそろ、本格的に動いたら、どうなんだ? アレハレ。」
「もうちょっと甘えててもいいでしょ? ニール。」
「いや、俺はいいんだけどさ。退屈じゃないか? ただ、うちでダラダラしてるなんてさ。」
「そうでもないですよ? ニールママ。私は、こういう生活は初体験ですから、とても楽しいです。・・・そうだ、今夜、バイクで散歩しましょう。涼しくて気持ちいいです。」
「それはいいね、マリー。」
 本宅からバイクが、もう一台配達されたので、三蔵たちが出勤してから小一時間、ツーリングというのに出かけることができるようになった。最初はマリーがニールをタンデムシートに載せて走っていたのだが、アレハレがずるいと拗ねたので、アスランが手配してくれたのだ。
「それなら、二人で行って来いよ。」
「「 ヤダッッ 」」
 ニールが、そう言うと断固拒否だ。どちらもニールとタンデムしたいらしい。
「普段は、アレルヤと二人なんですもの。こういう時はニールママとタンデムが楽しいんです。」
「そうだよ。特区の中でも、ニールは行ったことがないとこが多いんだから一緒に行こうよ。僕もニールとタンデムがいい。」
 どっちも、そう言うので、往路と復路でニールはバイクを乗り換えることになっている。
「それでいいなら、それでいいけどさ。」
「なんなら、二人でデートがいいんですけどね? 」
「マリー? 僕が店の手伝いの時にデートしてるでしょ? 除け者にしないでよ。」
「だから、一緒に出かけてるわ。・・・・あら? 」
 アレハレのツッコミにマリーがツッコミ返して横を眺めたら、ニールが本堂前の廊下にコロンと寝転んでいた。
「・・・ごめん・・・夕立らしい。」
 まだ、空は晴天でセミがガンガン鳴いているのだが、どうやら入道雲が発生したらしい。急激に気圧変化されると、ニールはへなへなと力が抜ける。いつもより早い時刻に夕立がくるらしい。
 アレハレもマリーも、この状態に慣れたから慌てない。即座に抱き上げて、脇部屋に横にする。空調は常にかけてあるから、部屋は涼しい状態だ。
「頭痛ですか? それともめまい? 」
「・・・軽く頭痛・・・・ごめん、アレハレ、お昼、オロシソバ・・・」
「了解。マリー、看てて。」
「了解よ、アレルヤ。」
 すっかり、この状態にも慣れたので、ニールが頼むことも、互いに、できることをするようになっている。アレハレが洗濯物の回収と坊主の昼の用意、マリーが看病だ。とはいっても、マリーの仕事はニールの手を握っているぐらいだ。
「大丈夫です。私は、ここにいます。」
「・・・ありがと・・・」
 寂しがり屋のニールママは、側に誰かが存在すれば、落ち着いて寝ているので、こういうことになっている。リジェネが、いつもこうしているので、ティエリアは、それを知っていて、マリーに頼んだのだ。少し気圧変化が落ち着けば、すぐに回復するので、それほど長い時間ではない。すぐに、外は雲が広がって遠雷が聞こえ始めた。特区の夕立はスコールのようなもので小一時間で通り過ぎる。マリーは手を握ってはいるが、外の様子に気付いて、あらあら、と、苦笑する。本当に正確にニールはダウンするので、すごいな、と、感心する。以前は、ただの雨でも発熱していたらしいから、それよりはマシになっているらしいが、それでも、これは心配だ。遠雷の音は少しずつ近付いて来る。ニールが、あ、と、声を出した。
「なんですか? ニールママ。」
「・・・三蔵さん、家に居たのかな・・・」
「たぶん、いらっしゃると思います。」
「・・・洗濯・・・」
「アレルヤが取り込んでいます。」
 まだ雨の音はしていない。飛び出したアレハレが洗濯物を回収しているはずだから、そちらは大丈夫のはずだ。そう言うと、また大人しくなる。その様子が可愛いとマリーは微笑んでいたりする。



 アレルヤが、洗濯物を回収して居間に広げていると、携帯端末に着信だ。ティエリアからで、リジェネが特区の空港に到着したという連絡だった。
「長々とニールの世話をさせてしまったな、アレルヤ。」
「ううん、僕らは、これも楽しんでるからいいよ、ティエリア。・・・でも、リジェネに小一時間ぐらい時間を潰して帰って来るように連絡してくれないかな。これから、夕立するんだ。」
「わかった。連絡しておく。・・・きみらは、これでミッション完了だ。次の旅行に出てくれて構わない。」