二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

不安の行方

INDEX|4ページ/4ページ|

前のページ
 


ほわわわん、と、すずめはまた
温かい気持ちになった。

「いや、ダメじゃん!」

「はっ?ダメ?!」

キスにダメ出しされたかと思って、
馬村は少し青ざめた。

「いや、馬村のことじゃなくて!
 自分がっ…キスされて幸せ感じてたら、
 やっぱりそれがなくなったらって
 考えちゃうのかなって…」

馬村はさっきの「ダメ」が、
自分のキスへのダメ出しではなくて
安堵した。

「オマエな…そこは幸せ感じてくれねえと 
 こっちも困んだけど?」

「えっ、だって…もう!馬村が悪いんじゃん!」

「はぁ?何がだよ。」

「だって、あんな嬉しいキスするから
 だから離れたくなくなるんじゃん!」

「なっ///…って、オマエ
 それヤバイって…」

「えっ?」

真っ赤になった顔を隠すように
頭を抱えてソファに座る馬村を見て、

すずめは自分が言ったセリフを思い出して、
カァァァァッとなった。

「やっ、ちがっ、えっ///」

馬村が赤い顔をあげ、
すずめをじっと見つめた。

「オレだって、オマエがそういうこと言うから
 離れがたくなるんじゃん?」

「え……」

ゆっくり馬村がすずめに近づき、
再び優しく包むように顔を手で挟み、
そっと触れるキスをした。

馬村の冷たい唇に、
じわりとすずめの体温が移るような
歓びの交わりだった。

「ん…」

息が苦しくなる頃、唇はそっと離れた。

「馬村…好きだよ?」

「オレも。」

ギュッと抱きしめられた瞬間、

「ただいまぁ!」と大地の声がした。

「チッ、またかよ!」

お約束の大地乱入で、二人は体の距離をとった。

それ以上にならないことを、
お互いにホッとしたような、ガッカリしたような、
でも心だけはちゃんと繋がれたような、
そんな気持ちになった。

この先何度不安になったとしても、
その度に思いを伝えあえればいいと
二人は思った。
作品名:不安の行方 作家名:りんりん