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黄金の太陽THE LEGEND OF SOL 23

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「これから先、我は天界の神々を滅ぼし、イリスの持つ力を取り込む。激しい戦いは避けられんだろう。そんな戦いに赴いたらどうだ? 我を超える力を得られるやも知れぬぞ」
 デュラハンの意味することは、仲間を、ひいては自らを生み出してくれた神々を倒さなければならないという事だった。
 ヒースが思い悩んでいる中、デュラハンは更に追い討ちをかける。
「我が憎いのだろう? 我がいなければ、貴様の愛した女は、消えずにすんだのだぞ? その憎しみを力に変え、枷を打ち破ったときならば、我に敵うやも知れぬぞ。それ以上何を悩むことがある?」
 ヒースの中で何かが吹っ切れた。
「デュラハン、俺は貴様を絶対に許しはしない。必ずこの手で倒してやる。そのためには、貴様に生きていてもらわねばならん。倒すべき相手がいなくなっては、俺は死んでも死にきれん。貴様のためではない、俺は俺のため、剣を振るう!」
 新たなデモンズセンチネルが誕生した瞬間だった。
「ふはははは……! よくぞ言った、ヒース、いや、センチネルよ! では貴様の働き、期待しておるぞ。ふははは!」
 デュラハンは笑いつつ、謎の力で闇の空間を出現させ、その中に消えていった。
 デュラハンが失せると、ヒースは再びマリアンヌの家に入り、彼女の亡骸を抱き締めた。
「マリアンヌ……、君の無念はきっと晴らす……。何があろうと、必ずな……!」
 ヒースはマリアンヌをベッドの上に寝かせ、開いたままの目を閉じてやった。そして彼女が最期まで持ち続けていたペンダントを預かった。
 それから間もなくして、火の手がマリアンヌの家に回った。
 燃え盛る家を背後に、決して外れることのない仮面の下で、ヒースは一体どのような表情をしていたのか。それは彼自身にも分からなかった。
 そして十六年の月日が経った。
 ウェイアード、大ウェスト海の大陸、アテカ大陸の入り江にて、センチネルはいつか来はずの、マリアンヌの仇を討てる日を、待ち続けるのだった。