~RINNE TENSEI~
記憶…とはとても恐ろしいものだ。
「伊達。今日は予定あるか?」
「ないが…。―――dateの誘いかぁ?」
「真田と猿飛が花火大会に行かないかと誘いがきてな」
「―――――いいぜ」
「じゃぁ、ステージ前に来てくれ」
「OK。すぐ行く。」
俺は片倉小十郎。戦国武将で竜の右目と呼ばれている。…否、呼ばれていた。
そんな俺も一度死に、過去の記憶を持ったまま俺は今、俺の主…
伊達政宗様の担任をやっている。俺が過去の記憶を持っているのに対し、
政宗様は過去の記憶はなく……。担任として振る舞っている。
正直政宗様のことを『伊達』なんて呼びたくないのだから…。
「ハァハァ…。やっと着いた。」
「おそーい」
「政宗はいつもこうだからな」
「うるせー幸。あと猿はハウスな」
「俺様の扱い…。これいじめ?いじめなの?」
「片倉先セ~!」
泣きながら俺に抱き着いた変な緑色のバンダナをした奴が猿飛佐助。
そしてその後ろで政宗様を笑いながら話しているのは真田幸村。
もともと彼は『ござる』口調だったのだが、現代の今ではとても砕けた話し方である。
それがオレと『アイツ』にとっての違和感である。
彼らも俺と政宗様と同じように戦国武将であった。
……というより、俺の周りにいるのはなぜか顔なじみのやつらばっかりであった。
……まぁ、顔合わせたくないメンツもたくさんいるがな。
でも過去とは違い皆個性的で優しい人間だ。現代では…、松永『副校長』も優しいお方だ。
だがやはり、少し付き合いにくく、申し訳なく思っている…。
「俺もそう思うぜ、佐助w(黒)」
「うわーイージーメーだー」
「話は変わるが佐助。なぜ片倉先生を誘ったんだ?」
「え?だって俺様たちの学校、夜遅くまで残ってたらね?ほら…変態さんが」
(あ、天海が迎えに来るんだった)
天海も同じである。…まぁ、あいつはこっちでもアレだがな…。
「成程」
「んでこれからどうする?」
政宗様が話しかけてくる。
俺としてはやることは何もないのだが…。
政宗様のお側にいたい。だが前にそんなことを言ったら
『俺を愛してくれるのはいいが、周りの生徒との差、気を付けろよ』
と返された。まぁ、俺も『今』は担任だ。
政宗様だけでない。たくさんの生徒を平等に扱わなければならない。
………記憶とはとても恐ろしいものだ。
「俺幸と屋台見てくるな!」
「俺も政宗と見たいな…。団子が食べたい♪」
「そうかい、幸村はダテマと一緒に見ておいで!俺様はセンセーとここに居るから~♪」
「ありがとう佐助!!」
作品名:~RINNE TENSEI~ 作家名:天海@牙狼