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英雄プルート

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目が覚めると、見慣れない天井がありました。
ミッキーは急いで起き上がりました。
そこは病院だったのです。
酸素マスクを外し、向かった先はプルートの元。
どこにいるのかさっぱりわかりませんが行かない訳にはいかないのです。
大声でプルートの名前を叫びながら廊下を走りました。
すると背後から急な衝撃があり、そのまま廊下に倒れました。
慌てて仰向けになると、目の前には大好きな顔がありました。
元気ないつものプルートがミッキーをひたすら舐めていました。

「よかった、本当によかった」
目に涙を滲ませながら強く強くプルートを抱きしめました。
プルートも元気よく返事をして尻尾を振り回しました。

するとそこに警察の方が二人ほど来ました。

「ミッキー、プルート、この度は大変迷惑をかけたね」

話によると、赤ん坊を取り返したお母さんがすぐに警察へ通報し、スーパーにて取り調べをした。
監視カメラを見直し、真実の一部始終を見た。
プルートが悪くない事、そして黒ずくめの男が現在指名手配している誘拐犯だということが判明し、急いで保健所へ向かった。
ミッキーとプルートが意識不明になってすぐに、警察が二人を助けられた。
その後すぐ、仲間の警察がスーパーのすぐ近くで隠れていた誘拐犯を捕まえられた。
…との事でした。

「間に合って良かった、そして本当に申し訳ない」

警察はミッキーとプルートに深々と頭を下げました。

「私からも本当にごめんなさい」

その声は警察の後ろから聞こえました。
見るとそこには先ほどのお母さんと赤ちゃんの姿がありました。

「そして本当にありがとう。」

そういってお母さんはミッキーとプルートの頬に軽くキスをした後
ミッキーにはたくさんの量のチーズを、プルートにはたくさんの量の骨をあげました。
お母さんに抱えられた赤ちゃんがプルートの方に腕を伸ばしました。
プルートがおそるおそる顔を近づけると、赤ちゃんはきゃっきゃと笑いながら嬉しそうにプルートの鼻を優しく掴みました。
プルートはとっても暖かい気持ちになり、尻尾をたくさん振りました。

「私達からはこれを」

そういって、警察の方は二つのメダルをミッキー達に差し出しました。

「そのメダルは英雄の証だよ」

そう言い、警察がミッキー達の首にかけてくれました。
ミッキーは嬉しさと興奮で笑いがこみ上げ、飛び上がりました。
プルートもそんなミッキーに飛びついて一緒に喜びました。

「本当に最高の親友だよ、プルート!」

ミッキーが言うと、プルートは元気よく返事をしました。


作品名:英雄プルート 作家名:ぺり