二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

同調率99%の少女(3) - 鎮守府Aの物語

INDEX|18ページ/26ページ|

次のページ前のページ
 


「ちっ、1匹だけかよ。あとのやつらはどこだ!?」
「潜って逃れたのかも。気をつけてみんな!」
 那珂の探照灯に照らされたその様子を見て天龍と五十鈴が警戒を強めて周囲を見渡す。

 慌てて那珂は探照灯を左右に動かして範囲を変えて照らすが、親玉の双頭の重巡級ともう一匹の重巡級の姿を完全に見失っていた。
 那珂の想定が正しければ、2匹の深海凄艦は那珂自身に向かってくるはずである。しかし海中を見ても深海凄艦の目は判別できずわからない。

 ふと那珂は探照灯を海中に向けて照らしてみた。艦娘という人が持つがゆえの行為であった。海面では反射して見えないが、少し離れている村雨の位置からだとごく浅い海中なら、その光でかろうじて確認できた。

「あ!1匹真下に来てま……」

 村雨が気づいて言葉を最後までいうがはやいか、1匹の深海凄艦が那珂と村雨の中央辺りから浮き上がって空中に身を出してきた。


ザッパァーーン!!!!


 隣り合って並んでいたとはいえ少し距離があったにもかかわらず、飛びだしてきた深海凄艦は十分に那珂と村雨に食らいつける大きさだった。双頭の重巡級だ。



 那珂は浮き上がった時にできた大波の流れに身を任せて後退したため、双頭の重巡級をなんなく回避できた。
 一方の村雨は一瞬回避が遅れ、片方の足の魚雷発射管をかすめるように触れてしまったためその魚雷発射管が弾き飛ばされて破壊されてしまった。村雨自身は避けたというよりもその衝撃で弾き飛ばされ、実質無事に後退できていた。

 突然のことにあっけにとられた他の4人。はっと気づいて五十鈴は那珂に近寄っていく。五月雨は若干混乱しているのか、とっさに双頭の重巡級に向けて単装砲で何回か砲撃する。

「あ……ああああぁ〜〜!」

ドゥ!ドゥ!!ドドン!!



 が、その直線上には五十鈴がいた。

バチン!バチン!
ドシュー……ボン!


 と、五十鈴のバリアが五月雨の砲弾を消し飛ばす音と火花が散った。数発のうち一発は、五十鈴を通りすぎて何かに命中して爆発していた。

「ちょ!?五月雨!私が前にいるのよ!撃たないでよ!!」
 バリアが砲弾を弾いたため被害はなかったが、自身の真後ろで電磁波による破裂音とバチバチと飛ぶ火花を見聞きして驚いた五十鈴が振り向いて五月雨に抗議した。

「あ!!すみません!ゴメンなさい!!」
 五月雨は謝って慌てて単装砲を下ろし、五十鈴に遅れて移動して那珂たちの方に向かう。