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同調率99%の少女(3) - 鎮守府Aの物語

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 その光景をところどころ起きた光で見ていた天龍と龍田は……。
「あーあ。何やってんだよあの五月雨ってやつは。夜なんだから気をつけろっての。」
 呆れてそう言いながら、那珂たちのほうに向かおうとする。


 その時、天龍と龍田の前にもう一匹の重巡級が突然海面に姿を表した。それは、彼女らが日中に対峙した重巡級だった。暗かったが月明かりで照らされたそのグロテスクな造形の一部を目の当たりにして、二人にははっきりわかった。

「あぁ、てめぇか……日中のデカブツ。」
 天龍は重巡級を睨みつけて更に続ける。

「日中はなかなか近寄れなくて思うように傷めつけることができなかったけどよ。こんだけ近くなら、あたしと龍田のマイホームだっつうの。」
「……それをいうならホームグラウンド。さらにいえば"間合い"というべき。」
「う、うるせぇ!そんなことはどうでもいいんだよ!」

 かっこ良く決めたつもりが、言い間違いと言葉の誤用で龍田から2回ツッコミが入って照れ混じりに怒る天龍。

「おーーい旗艦さんたちよ!そっちの獲物はあんたらに譲るぜ!」
 そう那珂に言い放ち、天龍と龍田はその重巡級と戦い始めた。夜だったので那珂たちからはほとんど見えなかったが、その声のすぐあとにザシュ!という何かを斬る音がしたので、天龍たちの戦いも始まったと気づいた。